「アブセンティーズム」とはどういう意味?アブセンティーズムという言葉を聞いたことがあるでしょうか。「アブセンティーズム」とは、健康問題による仕事の欠勤(病欠)のことです。WHO(世界保健機関)によって提唱されました。プレゼンティーズムという言葉と対で用いられることが多く、ともにパフォーマンスの損失を表す指標として使われています。これらを可視化することで、企業の環境改善と離職防止に繋げていく方法があります。この記事では、アブセンティーズムとプレゼンティーズムへの介入による職場改善について説明します。「経営視点から紐解く アブセンティーイズムとプレゼンティーイズム」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します参考:厚生労働省「こころの耳:用語解説|アブセンティーズム」https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-3010/厚生労働省「こころの耳:用語解説|プレゼンティーズム」https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-3003/アブセンティーズムが注目される背景産業革命以降、世界に工場が増えてくると、人々の注目は「欠勤」に集まりました。誰かが欠勤してしまうと、ラインが止まってしまったり、他部署に負担がかかってしまったりします。このため、なぜ従業員は欠勤するのか欠勤はどの程度生産性に影響するのか欠勤を減らす方法はあるのかなど、欠勤に対する研究が進むようになりました。20世紀になると、欠勤は単なる「怠け」ではなく、心理・社会的要因による行動として研究されるようになりました。1920年代から1930年代のアメリカで行われた代表的な研究であるホーソン実験(Hawthorne Studies)では、職場の人間関係や上司との関わり方、集団の雰囲気が従業員の行動(欠勤・離職)に影響することが示唆されました。つまり、欠勤は「職場環境の問題を反映する指標」として認識されるようになったのです。それ以降も研究は進み、1980年代以降に健康問題と生産性に焦点を当てた欠勤の概念である「アブセンティーズム」「プレゼンティーズム」という括りが登場します。特に、プレゼンティーズムは「病気を抱えながら出勤している状態」を指し、現在の健康経営ではこちらの損失の方が大きいとされています。休職よりも「出勤しているがパフォーマンスが低い」状態の方が企業損失は大きい?近年の日本では、アブセンティーズムやプレゼンティーズムが急激に脚光を浴びるようになりました。とくに、プレゼンティーズムが重要で、日本の有名な研究によると、アブセンティーズムよりもプレゼンティーズムによる経済損失が大きいことがわかっています。また、同じ研究では、慢性疾患による総コスト負担が最も大きかったのは、精神・行動の健康問題および筋骨格系疾患でした。近代において、生産性とはすなわち健康にあり、従業員の健康を守ることが会社の生産性を上げることに繋がっていると考えられるようになってきたのです。参考:J Occup Environ Med「Total Health-Related Costs Due to Absenteeism, Presenteeism, and Medical and Pharmaceutical Expenses in Japanese Employers」https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/29394196/アブセンティーズムとプレゼンティーズムの測定方法自社の損失を正しく把握するためには、適切な「物差し」が必要です。代表的な指標を紹介します。アブセンティーズムとプレゼンティーズムの測定方法には、いくつかの種類があります。中でも、一番有名なのはWHO-HPQ(Health and Work Performance Questionnaire)です。WHO-HPQは、最も広く使われている指標です。WHOとハーバード大学の研究グループにより開発されました。プレゼンティーズムとアブセンティーズムを同時に測定可能で、従業員の健康状態と仕事の生産性の関係を評価する質問票となっています。質問内容は、過去4週間の欠勤日数や、実際の労働時間、自分の仕事の出来などで、これらのパフォーマンスを自己評価で回答することで、生産性低下を算出します。そのほかにも、Stanford Presenteeism Scale(SPS)といって、健康問題が仕事に与える影響や、集中力・対人関係・成果などを評価できる特徴を持つ指標や、WLQ(Work Limitations Questionnaire)という時間管理、身体活動、集中力、仕事の結果の4つの側面で仕事の制限を評価する指標が存在します。また、日本でよく使われる簡易版の測定法として、SPQ(Single-Item Presenteeism Question)という方法が存在します。質問は1つだけで、「健康なときの仕事を100%とした場合、過去4週間の仕事の出来は何%でしたか?」というものだけです。この回答から生産性損失率を計算します。このように、アブセンティーズムとプレゼンティーズムを測定する方法は様々ですが、新たに測定しようとすると、人件費などコストがある程度かかってしまうでしょう。そこで、おすすめなのが年に1度法令で定められているストレスチェック制度とプレゼンティーズムの関係性を利用する方法です。「ワーク・エンゲイジメント いきいきした職場づくりの方策」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移しますプレゼンティーズムとストレスチェックとの相関日本での研究で、高ストレス者ではプレゼンティーズムに関連するコストと、医療費が、非高ストレス者より高かったということが分かっています。つまり、ストレスチェック上、高ストレス者と選出された層はプレゼンティーズムに陥る可能性が高く、ここを重点的にケアすることで従業員の健康を維持することができる可能性が大いにあるということです。ただここで、年に最低1回のストレスチェックを単に法令順守のためのストレスチェックで済ませてしまうのは非常にもったいないことです。ストレスチェックには集団分析という分析方法があり、部署ごとの集団分析を行うことでさらなる職場改善を目指せる可能性があります。ここで、おすすめなのがエムスリーヘルスデザインの職場のストレスチェック+plusサービスとEAPサービスです。参考:Journal of Occupational Health「The differences of the economic losses due to presenteeism and treatment costs between high-stress workers and non-high-stress workers using the stress check survey in Japan」https://academic.oup.com/joh/article/64/1/e12346/7249434集団分析まで行える「職場のストレスチェック+plus」で従業員が働きやすい土壌を育む職場のストレスチェック+plusでは、メンタルヘルス不調による休職や離職のリスク低減をサポートし、さらには従業員が働き続けたいと思えるような組織の土壌づくりをサポートします。なお、ストレスチェックは今まで50人未満の事業所では努力義務でしたが、厚生労働省の検討会において、50人未満の事業場についてもストレスチェック実施を義務付ける方針が示されました。今後、段階的な法改正が行われる可能性があるため、早期の準備が推奨されます。ストレスチェック事業を開始して30年以上、年間1,400社、約35万人の導入実績を誇るエムスリーヘルスデザインは、ストレスチェックの委託サービスを提供しております。職場のストレスチェック+plusでは、単に検査を行うだけではありません。その結果を活かしてメンタルヘルス不調による休職リスクの早期発見と、迅速な対応を支援するために、公認心理師や臨床心理士などの専門家による実践的なアフターフォローを提供しています。結果を活かし、組織課題の把握や環境改善を通じて、働きやすい職場環境の構築を支援します。主な支援内容は次の3つです。アナリストレポート経験豊富な心理職スタッフが、ストレスチェックの集計結果を分析し、課題に応じた改善プランを提案します。また、安全衛生委員会などでのオンライン報告会にも対応しており、現場での共有・議論をスムーズに進めることができます。単なる数値報告ではなく、経験豊富な心理士による「アナリストレポート」を活用することで、「なぜこの部署で離職リスクの高い従業員が多いのか」という核心に迫る分析が可能になります。現場のマネージャーが明日から何をすべきかまで落とし込むことが、実効性の高い離職防止策の検討に役立ちます。オンラインセミナー企業や官公庁での研修実績を持つ講師陣が、ヘルスリテラシー向上を目的とした教育プログラムを実施します。内容は職場の課題に合わせてカスタマイズが可能で、たとえば次のようなテーマが人気です。職場メンタルヘルスと管理職の役割ストレスマネジメントの基本と実践方法EAPサービス(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)心理・医療・産業分野の専門家チームが、従業員と組織の両面から健康を支える仕組みづくりを包括的にサポートします。相談体制の整備や教育、意識啓発まで、継続的に支援を行います。ストレスチェックは「実施すること」が目的ではありません。結果をどう活かすかこそが、従業員の健康を守り、働きやすい職場をつくるための鍵です。単なる受検で終わらせず、アナリストレポートまで取得することで、「組織のどこに弱点があるのか」を共有できる可能性があります。「職場のストレスチェック+plus」なら、検査から職場改善、教育までを一括で支援。法改正への対応準備や、従業員のメンタルヘルス対策にお悩みの方は、累計導入実績豊富なエムスリーヘルスデザインへご相談ください。まずは、自社の離職リスクがどこにあるのかを可視化してみませんか?法改正への対応と定着率向上を同時に実現する具体的なプランを、無料でご提案します。ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードする参考:厚生労働省「第21回 労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度に関する検討会 資料」https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000106347_00010.html職場改善にはエムスリーヘルスデザインのEAPエムスリーヘルスデザインのEAPは、単なる従業員向けの相談窓口にとどまりません。組織分析に基づき、人事・管理職に対して具体的な「職場改善の提言」を行うパートナーとして機能します。心理的安全性という抽象的な課題を、実効性のある施策へと昇華させます。まず、人事・管理職の方々には、専任の心理士が企業や組織の環境改善について具体的な提言を行います。さらに、メンタル面に課題を感じながら働く従業員に対し、専門家とのカウンセリングを通じて心の健康維持や早期の適切な対応をサポートします。また、ストレスチェック後の集団分析結果や現場の課題を踏まえた研修プログラムも提供。ラインケアに特化した内容はもちろん、セルフケアまで幅広くカバーします。企業・官公庁での豊富な研修実績を持つスタッフが、最適な内容で健康経営を力強く支援します。また、ストレスチェック委託と併用もできます。エムスリーヘルスデザインのEAPサービスでは、メンタル不調の予防と早期対応に特に力を入れています。提供サービスの概要専門家による相談対応:公認心理師など資格を持つカウンセラーが、従業員の相談に応じ、安心できる支援を行います。人事・産業医との協働:個人対応にとどまらず、職場環境の改善へとつなげる仕組みを構築。ストレスチェックとの連動:制度導入後の高ストレス者面談や職場改善まで一貫してサポートします。充実したサポート体制メンタルヘルス以外の問題も回数無制限で相談可能専門家(国際EAPコンサルタント・臨床心理士・公認心理師など)が直接対応必要に応じて適切な専門機関へ紹介大阪・京都エリアでは訪問対応も可能職場復帰支援も万全事業場内のご担当者やご家族、主治医と連携し、円滑な職場復帰をサポートします。本人へのカウンセリング復職に向けた受け入れ態勢整備への助言・提案本人・上司・人事などを交えた復職前面談従業員の健康を守ることは、組織の成長を支える最も確かな投資です。エムスリーヘルスデザインのEAPとともに、健康経営への第一歩を踏み出してみませんか。貴社の従業員数や業種に合わせた最適な活用プランを、専門スタッフが無料でご提案します。エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードする