特殊健康診断は、従業員が特定の有害な作業に従事する際に実施される健康診断であり、法的に義務付けられています。従業員の健康を保つために、企業が適切な管理を行うことを目的としており、対象となる業務は多岐に渡ります。本記事では、特定の有機溶剤を取り扱う業務に携わる従業員を対象に実施される「有機溶剤健康診断」と「特定化学物質健康診断」について解説します。「健診業務の負担を減らすには?DXツールの成功事例」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します有機溶剤とは有機溶剤とは、主に有機化合物からなる液体のことを指し、物質を溶解させるために使用される化学物質です。有機溶剤の蒸気が体内に入ると、頭痛・めまい・吐き気等の症状が現れるほか、神経系や肝臓、腎臓への影響を引き起こす可能性があります。このような有機溶剤による健康被害を未然に防ぎ、従業員が健康的に働ける環境を整えるために「有機溶剤健康診断」と「特定化学物質健康診断」が実施されます。有機溶剤健康診断とは有機溶剤健康診断とは、特殊健康診断の一種で従業員が有機溶剤を取り扱う業務に携わる従業員を対象に実施されます。具体的には、製造業や建設業、塗装業、化学業などで有機溶剤を扱う作業が含まれます。検査内容有機溶剤健康診断の検査内容は以下の通りです。必ず実施する内容1業務経歴の調査2作業条件の簡易な調査・有機溶剤による健康障害の既往歴の調査・有機溶剤による健康障害の自覚症状および他覚症状の既往歴の調査・有機剤中毒予防規則別表で指定されている有機溶剤の代謝物の量の検査についての既往の調査結果の調査・有機剤中毒予防規則別表で指定されている貧血検査(血色素、赤血球数)、肝機能検査(GOT(AST)、GPT(ALT)、γ-GTP(γ-GT))、眼底検査についての既往の異常所見の有無の調査・過去の健診での貧血検査、肝機能検査、腎機能検査および神経学的検査の異常所見の有無の調査 3有機溶剤による自覚症状または他覚症状と通常認められる症状の有無の調査4尿中の蛋白の有無を調査医師が必要と判断した場合に実施する内容1作業条件の調査2貧血検査3肝機能検査4腎機能検査5神経学的検査特定の有機溶剤について必ず実施する内容1尿中の有機溶剤の代謝物の量の検査2肝機能検査(GOT(AST)、GPT(ALT)、γ-GTP(γ-GT))3貧血検査(血色素量および赤血球数)4眼底検査特定の有機溶剤とは以下の通りです。有機溶剤が物質の5%を超えて含有される場合に実施されます。有機物質検査内容エチレングリコールモノエチルエーテルエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートエチレングリコールモノ‐ノルマル‐ブチルエーテルエチレングリコールモノメチルエーテル貧血検査(血色素量および赤血球数)オルト-ジクロルベンゼンクレゾールクロルベンゼン1,2-ジクロルエチレン肝機能検査(GOT(AST)、GPT(ALT)、γ-GTP(γ-GT))キシレン尿中のメチル馬尿酸の量の検査N,N-ジメチルホルムアミド肝機能検査尿中のN-メチルホルムアミドの量の検査1,1,1-トリクロルエタン尿中のトリクロル酢酸または総三塩化物の量の検査トルエン尿中の馬尿酸の量の検査二酸化炭素眼底検査ノルマルヘキサン尿中の2.5-ヘキサンジオンの量の検査「そのまま使える受診勧奨&受診報告フォーマット」資料ダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します実施頻度有機溶剤健康診断は、雇入れ時、業務配置時およびその後6ヶ月以内に一度定期的に実施します。対象者に適切に実施されなかった場合は法律違反になるため、企業は対象基準や実施頻度を正しく理解する必要があります。特別有機溶剤に係る特定化学物質健康診断とは特別有機溶剤に係る特定化学物質健康診断とは「特別有機溶剤」を扱う業務に携わる従業員が対象となります。特別有機溶剤は、有機溶剤の中でも特に健康へのリスクが高いとされており、労働安全衛生法により厳しい規制が設けられています。有機溶剤の含有率により、「有機溶剤健康診断」「特別化学物質健康診断」のどちらか、又は両方の健診を受けることが義務付けられています。具体的な対象業務は以下の通りです。クロロホルムほか9物質を用いる有機溶剤業務エチルベンゼン塗装業務1,2-ジクロロプロパン洗浄・払拭業務引用元:厚生労働省「健康診断を実施しましょう」「健康診断事後措置で抑えるポイント」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します検査内容特定化学物質健康診断は、第1次検査と第2次検査に分けて行われます。第1次検査項目は扱う特定化学物質によって異なります。詳細は以下PDFの5ページを確認ください。厚生労働省「健康診断を実施しましょう」実施頻度有機溶剤健康診断同様、雇入れ時、業務配置時およびその後 6ヶ月以内に一度定期的に実施します。有機溶剤の含有率により、有機溶剤健康診断以外にも特別化学物質健康診断の実施が必要になる場合があるため、企業は適切な管理が必要です。検査結果の保管について有機溶剤健康診断及び特定化学物質健康診断の結果は5年間、特定化学物質健康診断の特別管理物質は30年間の保存義務があります。「健診業務の負担を減らすには?DXツールの成功事例」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移しますまとめ特殊健康診断の一部である有機溶剤健康診断と特定化学物質健康診断について解説しました。対象の有機溶剤を使用する業務に携わる従業員に対して必ず行う必要がある健康診断です。企業はすべての従業員の業務内容を把握し、漏れなく対象の健康診断を実施し、その後診断結果を決められた期間保管する義務があります。対象の従業員に適切な健康診断が行われていなかったり、検査結果が正しく保管できていなかったりすると罰金が課せられる場合があるため注意が必要です。そこで、健康管理システム「ハピネスパートナーズ」の利用をおすすめします。ハピネスパートナーズの主なサービスは以下の通りです。健康診断の進捗管理、未受診者の一括抽出健康診断結果や保健指導の面談記録健診結果をデータ管理労働基準監督署への報告書の作成健康診断情報を一括管理従業員全員分の個人カルテを自動的に作成全従業員の健康データをクラウド上で一元管理することができ、健診漏れや検査結果の紛失などのトラブルをなくすことができます。ぜひ、「ハピネスパートナーズ」の導入をご検討ください。健康管理システム「ハピネスパートナーズ」資料をダウンロードする