ストレスチェックとは近年、適応障害などのメンタルヘルス不調を抱える労働者が増加傾向にあります。こうした心の不調を早期に察知し、予防につなげることを目的として、2015年12月から「ストレスチェック制度」が施行されました。さらに2028年には、すべての事業場での実施が義務化される予定です。ストレスチェックとは、企業が用意した質問票に従業員が回答し、自身のストレス状態を客観的に把握するための仕組みです。この取り組みを定期的に行うことで、次のような効果が期待されます。従業員が自らのストレス状況に気づき、心の不調を未然に防ぐことができる部署や職場単位での集計結果を分析し、職場環境の改善に役立てられるこのように、ストレスチェック制度は「個人の心の健康の保持」と「職場全体の環境改善」という二つの側面を持つ重要な制度です。また、ストレスチェックの導入は、労働者が安心して働ける職場づくりを推進するための国の主要な施策の一つでもあります。個人の状態把握にとどまらず、職場全体のストレス傾向を明らかにし、改善につなげることで、組織の生産性向上や職場の健全化にも寄与することが期待されています。関連記事:派遣社員のストレスチェック、義務は派遣元?派遣先?解説関連記事:ストレスチェックと衛生委員会の関係|役割と進め方を解説関連記事:ストレスチェックにおける産業医の役割は?高ストレス者の面接指導まで解説ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードするストレスチェックにかかる主な費用と相場主な費用項目としては、実施担当者の人件費、実施関連費用、高ストレス者への面接指導費があります。また、法廷義務ではありませんが、集団分析を行う場合は集団分析費用、さらに職場改善につなげるならばその費用が必要です。まとめると、つぎのようになります。実施担当者の人件費ストレスチェックの運営を担う社内スタッフや、外部委託先に支払う人件費です。実施関連費用質問票の作成やオンラインシステムの利用料、集計・分析作業などに必要な費用です。高ストレス者への面接指導費本人が希望した場合に実施される産業医面談の謝礼、交通費、時間単価などが含まれます。集団分析費用部署や職場単位での傾向を明らかにするための集計・解析業務にかかる費用です。職場改善に伴う費用分析結果をもとに行う職場環境の改善策や研修などの導入・実施費用が該当します。総額は従業員数や契約内容、委託先の条件によって異なります。目安としては、小規模事業所では数万円程度、大規模事業所では数十万円規模になる場合もあります。厚生労働省が公開している標準質問票(57項目版)は無料で利用可能です。そのため、紙ベースでの最小限の実施であれば、直接的な支出はほとんどありません。ただし、印刷・配布・回収・集計・結果通知といった一連の事務作業には社内リソースを要するため、人件費や事務負担は実質的なコストとして考慮する必要があります。また、結果として「高ストレス」と判定された従業員が面接指導を希望する場合、産業医などによる面談を実施しなければなりません。「メンタルヘルス不調者対応の勘所」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します参考:厚生労働省「職業性ストレス簡易調査票(57項目)」https://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/dl/stress-check_j.pdfストレスチェックの助成金を活用しようストレスチェックの実施には、助成金が利用できる場合があります。助成金が利用できる場合は、主に2パターンで、ストレスチェック助成金:50人未満の事業所でストレスチェックを行った場合職場環境改善計画助成金:ストレスチェックを職場改善までつなげた場合それぞれの需給の条件についてご説明します。ストレスチェック助成金ストレスチェック助成金とは、ストレスチェックを実施し、また、医師による面接指導等を実施した従業員50人未満の事業場に対して支給される助成金です。ストレスチェック助成金は、下記の「対象となる事業主」に該当する事業場が、次の1または2の措置を実施した場合に受給することができます。 ストレスチェック :年1回のストレスチェックを実施した場合ストレスチェックに係る医師による活動:産業医の資格を持った医師が次の①または②を行うこと ①ストレスチェック実施後に面接指導を実施すること ②面接指導の結果について、事業主に意見陳述をすることまた、ストレスチェック助成金を受給する事業場は、次の要件をすべて満たしていることが必要です。 労働保険の適用事業場であること。 常時使用する従業員が派遣労働者を含めて50人未満であること。 ストレスチェックの実施者が決まっていること。 事業者が医師と契約し、ストレスチェックに係る医師による活動の全部又は一部を行わせること。 ストレスチェックの実施及び面接指導等を行う者は、自社の使用者・労働者以外の者であること。これらの要件を満たすと、助成の対象に応じて、下表の額が支給されます。ストレスチェックの実施の助成額 :従業員1人につき500円を上限に実費を支給 ストレスチェックに係る医師による活動 1事業場あたり:1回の活動につき21,500円を上限に実費を支給(上限3回)ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードする職場環境改善計画助成金職場環境改善計画助成金とは、ストレスチェック後の集団分析結果をもとに、専門家の指導を受けながら「職場環境改善計画」を作成し、その計画に沿って実際に改善を行った事業場に対して支給される助成金です。【Aコース】と【Bコース】が存在しており、それぞれについて需給の条件がすこし異なります。職場環境改善計画助成金のAコース受給要件職場環境改善計画助成金は、下記の「対象となる事業主」に該当する事業場が、次の措置を実施した場合に受給することができます。専門家の指導に基づき、職場環境改善計画を作成し、計画に基づき職場環境の改善を実施した場合に受給が可能です。なお、ここでの専門家は、産業医等の医師、保健師、看護師、精神保健福祉士、産業カウンセラー、臨床心理士等の心理職、労働衛生コンサルタント、社会保険労務士を指します。満たすべき要項職場環境改善計画助成金を受給する事業場は、次の要件のすべてを満たしていることが必要です。労働保険適用事業場であること。 ストレスチェック実施後の集団分析を実施していること。 専門家と職場環境改善指導に係る契約を締結していること。 ストレスチェック実施後の集団分析結果だけではなく、専門家から管理監督者による日常の職場管理で得られた情報、労働者からの意見聴取で得られた情報及び産業保健スタッフによる職場巡視で得られた情報等も勘案して職場環境の評価を受け、改善すべき事項について指導を受けていること。 専門家の指導に基づき職場環境改善計画を作成し、当該計画に基づき職場環境の改善の全部又は一部を実施していること。専門家から、職場環境改善計画に基づき職場環境の改善が実施されたことの確認を受けていること。 これらを満たすと、【Aコース】では、専門家の指導費用および機器・設備購入費用として、1事業場あたり100,000円を上限に実費が支給されます。 ただし、機器・設備購入費用は50,000円(税込み)を上限とし、かつ、単価50,000円(税込み)以内という制限があります。「メンタルヘルス不調者対応の勘所」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します職場環境改善計画助成金のBコース受給要件職場環境改善計画助成金は、下記の「対象となる事業主」に該当する事業場が、次の措置を実施した場合に受給することができます。メンタルヘルス対策促進員の助言・支援を受け、職場環境改善計画を作成し、計画に基づき職場環境の改善を実施した場合に受給が可能です。ここでのメンタルヘルス対策促進員とは、中小規模事業場にメンタルヘルス対策を普及促進するため、産業保健総合支援センターが委嘱したメンタルヘルス対策に関する訪問支援を専門的に行う者のことを指します。満たすべき要項職場環境改善計画助成金を受給する事業場は、次の要件のすべてを満たしていることが必要です。労働保険適用事業場であること。 ストレスチェック実施後の集団分析を実施していること。 メンタルヘルス対策促進員からストレスチェック実施後の集団分析結果の見方やストレスチェック実施後の集団分析結果を踏まえた職場環境改善手法について助言・支援を受けていること。 メンタルヘルス対策促進員の指導に基づき職場環境改善計画を作成し、当該計画に基づき職場環境の改善の全部又は一部を実施していること。メンタルヘルス対策促進員から、職場環境改善計画に基づき職場環境の改善が実施されたことの確認を受けていること。 これらを満たすと、【Bコース】では、機器・設備購入費用として、1事業場あたり50,000円(税込み)を上限、かつ、単価50,000円(税込み)以内で実費が支給されます。これらの制度は、事業場が主体的に職場環境の改善に取り組むことを支援し、労働者のメンタルヘルス向上と健全な職場づくりを促進することを目的としています。ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードする参考:厚生労働省「産業保健関係助成金」 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000208767.pdf職場改善までつなげるなら――「職場のストレスチェック+plus」ここまで、ストレスチェックにかかる助成金制度について解説してきました。コストを抑えることももちろん大切です。その上で、最も重要なのは結果を活用して職場をより良くすることです。「職場のストレスチェック+plus」では、単に検査を行うだけでなく、臨床心理士などの専門家による実践的なアフターフォローを提供しています。主な支援内容は次の3つです。ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードするアナリストレポート経験豊富な心理職スタッフが、ストレスチェックの集計結果を分析し、課題に応じた改善プランを提案します。また、安全衛生委員会などでのオンライン報告会にも対応しており、現場での共有・議論をスムーズに進めることができます。オンラインセミナー企業や官公庁での研修実績を持つ講師陣が、ヘルスリテラシー向上を目的とした教育プログラムを実施します。内容は職場の課題に合わせてカスタマイズが可能で、たとえば次のようなテーマが人気です。職場メンタルヘルスと管理職の役割ストレスマネジメントの基本と実践方法EAPサービス(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)心理・医療・産業分野の専門家チームが、従業員と組織の両面から健康を支える仕組みづくりを包括的にサポートします。相談体制の整備や教育、意識啓発まで、継続的に支援を行います。ストレスチェックは「実施すること」が目的ではありません。結果をどう活かすかこそが、従業員の健康を守り、働きやすい職場をつくるための鍵です。「職場のストレスチェック+plus」なら、検査から職場改善、教育までを一括で支援。効率的かつ実効性のあるメンタルヘルス対策を、今すぐ始めてみませんか。ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードする組織の力を高める —— エムスリーヘルスデザインのEAP(従業員支援プログラム)近年、多くの企業が直面している課題のひとつが、従業員のメンタルヘルス不調です。心の不調は個人のパフォーマンスを低下させるだけでなく、離職や人材流出、ひいては企業全体の生産性低下にも直結します。エムスリーヘルスデザインのEAP(Employee Assistance Program)は、専門家によるカウンセリングと、人事・産業医との連携を組み合わせた包括的な支援プログラムです。社員一人ひとりが抱える悩みを早期に解消し、職場全体の活力を取り戻すことを目的としています。エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードする提供サービス概要専門家によるカウンセリング対応公認心理師など資格を持つ専門カウンセラーが、従業員の相談に応じ、安心して話せる環境を提供します。人事・産業医との協働体制個々の支援にとどまらず、職場環境全体の改善へとつなげる仕組みを構築します。ストレスチェックとの連動制度導入後の高ストレス者対応や、結果に基づいた職場改善までを一貫してサポートします。導入による主な効果企業にとって最大の資産は「人」です。EAPを導入することで、次のような効果が期待できます。離職防止と人材定着の促進生産性・集中力の向上組織としてのブランド価値の向上エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードする予防から復職まで —— エムスリーヘルスデザインのEAPが支える安心の体制当社のEAPは、メンタル不調の予防と早期対応を軸に、さまざまな角度から従業員と組織をサポートします。人事・管理職への提言専任の心理士が、組織課題や職場環境改善に向けた具体的なアドバイスを行います。従業員へのカウンセリング支援悩みや不安を抱えた従業員に寄り添い、心理的な安定と職場適応を促進します。研修プログラムの提供ストレスチェック後の分析結果や職場課題をもとに、ラインケア・セルフケアなどをテーマとした実践型研修を実施。企業・官公庁での豊富な実績を持つ講師が、貴社の課題に即した内容を提供します。充実のサポート内容メンタルヘルス以外の相談にも対応(回数無制限)臨床心理士・公認心理師・国際EAPコンサルタントによる直接対応必要に応じて適切な専門機関への紹介大阪・京都エリアでは訪問対応も可能復職支援体制の強化本人・上司・人事・主治医が連携し、復職前面談や受け入れ環境の整備を支援従業員の健康を守ることは、組織を成長へ導く最も確かな投資です。エムスリーヘルスデザインのEAPが、「人」と「組織」の両輪を支える健康経営の実現をお手伝いします。今こそ、働く人が安心して力を発揮できる職場づくりを始めてみませんか。エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードする