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健康診断

公開日:

2025/03/27

更新日:

2025/11/21

契約社員には健康診断が必要?対象となる範囲と注意すべき点についても解説

エムスリーヘルスデザイン編集部(産業医監修)

契約社員には健康診断が必要?対象となる範囲と注意すべき点についても解説

契約社員にも健康診断を受けさせる必要があるのか?企業の担当者にとって気になるポイントの一つです。契約社員の場合、雇用条件や労働時間によって、健康診断の実施が事業者の義務となるケースと、そうでないケースがあります。

本記事では、契約社員に必要な健康診断の種類や費用負担の有無、注意点について詳しく解説します。契約社員の健康管理を適切に行うために、ぜひ参考にしてください。

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契約社員にも健康診断は必要?対象となる条件を解説

結論として、一定の条件を満たす契約社員には、健康診断の受診が必要です。

事業者は、労働安全衛生法第66条に基づき、「常時使用する労働者」に対して、医師による健康診断を実施しなければなりません。

ただし、すべての契約社員が対象となるわけではありません。

契約社員であっても、健康診断を受ける義務があるかどうかは「契約期間」と「労働時間」の2つの条件によって決まります。

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健康診断が必要となる2つの条件

事業所は「常時使用する全ての労働者」に対して健康診断を実施する義務があります。契約社員であっても、以下の2つの条件を満たす場合は、健康診断の実施対象となります。

  • 契約期間

  • 労働時間

それぞれ詳しく解説します。

契約期間

以下のいずれかに該当する契約社員は、健康診断の対象となります。

  • 雇用期間に定めがない

  • 有期契約で契約期間が1年以上

  • 有期契約の更新により1年以上勤務する予定がある

契約期間が短期間の場合、事業者に健康診断の実施義務はありませんが、長期的に雇用される契約社員は、健康管理の観点からも受診が推奨されます。

労働時間

以下の条件を満たす契約社員は、健康診断の対象となります。

  • 1週間の労働時間が、通常の労働者の所定労働時間の4分の3以上

一方で、労働時間が4分の3未満の場合、健康診断の実施義務はありません。

ただし、1週間の労働時間が2分の1以上〜4分の3未満の契約社員については、健康診断の実施が望ましいとされています。

健康維持や労働環境の安全性を確保するためにも、事業者が積極的に健康診断を実施することが推奨されます。

契約社員が受診すべき健康診断とは?種類と実施項目を解説

契約社員に必要な健康診断には、主に以下の2種類があります。

  • 雇入時の健康診断

  • 定期健康診断

それぞれの内容や検査項目について詳しく解説します。

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雇入時の健康診断

健康診断の実施条件を満たす契約社員を新たに雇い入れる際、事業者には雇入時の健康診断の実施が義務付けられています。

雇入時の健康診断では、下記の項目を実施する必要があります。

  • 既往歴及び業務歴の調査

  • 自覚症状及び他覚症状の有無の検査

  • 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査

  • 胸部エックス線検査

  • 血圧の測定

  • 貧血検査(血色素量及び赤血球数)

  • 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)

  • 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)

  • 血糖検査

  • 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)

  • 心電図検査

この健康診断は、医師の判断であっても省略することはできず、すべての項目を実施する必要があります。

定期健康診断

条件を満たす契約社員を雇用している場合、事業者は定期健康診断を1年以内ごとに1回実施する義務があります。

基本的な検査項目は雇入時の健康診断と同じですが、一部の項目については省略や変更が可能です。

必ず実施しなければならない項目

  • 既往歴及び業務歴の調査

  • 自覚症状及び他覚症状の有無の検査

  • 体重、視力及び聴力の検査

  • 血圧の測定

  • 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)

医師の判断で省略可能な項目

  • 身長、腹囲

  • 胸部エックス線検査

  • 貧血検査(血色素量及び赤血球数)

  • 肝機能検査(GOT、GPT、γ-GTP)

  • 血中脂質検査( LDLコレステロール、 HDLコレステロール、血清トリグリセライド)

  • 血糖検査

  • 心電図検査

また、45歳未満の者(ただし35歳および40歳の者を除く)の契約社員については、医師が適当と認める方法で聴力検査を実施することができます。

雇入時と定期健康診断の期間が近い場合はどうなる?

雇入時の健康診断と定期健康診断の時期が近い場合、定期健康診断の受診を省略できることがあります。

また、雇い入れ前3か月以内に健康診断を受診しており、その結果を提出した場合は、提出された項目のみに限って定期健康診断の受診を省略することが可能です。

なお、定期健康診断の省略について不明点がある場合は、事業所所在地の都道府県労働局や労働基準監督署へ相談することをおすすめします。

契約社員の業務内容に応じて必要な健康診断

契約社員でも特定の業務に従事する場合、正社員と同様に特別な健康診断を受診する必要があります。

以下の健康診断は、業務内容によって契約社員にも実施が求められる場合があります。

  • 特定業務健康診断:労働安全衛生規則第13条第1項第2号とじん肺法に基づいて、危険を伴う業務に従事する労働者を対象にした健康診断です。

  • 海外派遣健康診断:6か月以上海外へ派遣される労働者、または6か月以上海外に派遣された後に帰国し、国内の業務に従事する労働者に対して実施されます。

  • 給食従業員の検便:食堂や炊事場などで給食業務に従事する労働者を対象に、新たに雇い入れた際や業務に従事することになった際に実施される検便検査です。

  • 特殊健康診断:労働安全衛生法において有害業務とされる作業に従事する労働者を対象に実施される健康診断です。

  • じん肺健康診断:粉じん作業や石綿(アスベスト)に関連する粉じん作業に従事している、または過去に従事していた労働者を対象に実施されます。

  • 歯科医師による健康診断:歯やその支持組織に有害なガス・蒸気・粉じんを発散する場所で常時従事する労働者を対象に実施される健康診断です。

契約社員の健康診断の費用について

健康診断の実施は、労働安全衛生法により事業者の義務とされています。そのため、健康診断にかかる費用は原則として事業者が負担することになります。

また、有害業務に従事する労働者を対象とした特殊健康診断の費用も事業者負担となります。さらに、特殊健康診断の結果、要再検査・要精密検査となった場合の再検査や精密検査の費用についても、事業者が全額負担することが義務付けられています。

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会社が負担する必要のない費用

健康診断の法定項目に関する費用は事業者負担が原則ですが、それ以外の検査項目については事業者が負担する義務はありません。

企業側で負担の判断に迷うケースとして、以下のような検査があります。

  • 胃カメラ検査

  • 乳がん検査

  • 子宮頸がん検査

これらの費用については、産業医が就業判定のために必要と判断した場合、事業者が負担すべきと考えられています。

また、人間ドックを定期健康診断の代わりに受診することも可能ですが、法定以外の検査項目は受診義務がありません。人間ドックの費用は高額になることもありますが、自治体や健康保険組合の補助制度が利用できる場合もあります。

あらかじめ、労使間で健康診断の費用負担に関するルールを明確に決めておくことが重要です。

契約社員の健康診断にかかる費用の相場について

契約社員でも正社員でも、健康診断は医療保険の対象外となるため、費用はすべて自己負担となります。さらに、健康診断は医療機関や健診機関が自由に検査料金を設定できる自由診療であるため、費用には幅があります。契約社員の健康診断の費用相場は9,000~25,000円程度であり、実施する医療機関や検査内容によって異なります。

契約社員の健康診断にかかる具体的な費用を知りたい場合は、医療機関や健診機関に見積もりを依頼しましょう。

契約社員の健康診断における注意点とは

契約社員であっても、必要な健康診断の種類や項目は正社員と同じです。健康診断を適切に実施するために、以下の注意点を押さえておきましょう。

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法定の健康診断を実施しないと罰則がある

契約社員に対しても法定の健康診断を実施しない場合、労働安全衛生法違反となります。違反した場合、事業者には50万円以下の罰金が科せられる可能性があるため、適正な実施が求められます。

対象者と実施時期に注意

健康診断の実施時期は以下のように定められています。

  • 定期健康診断:1年以内ごとに1回

  • 特定業務従事者の健康診断:6か月以内ごとに1回

契約社員の場合、雇用期間や入社時期が個々に異なるため、健康診断の対象者かどうかを確認することが重要です。また、以前の職場で受診した健康診断の結果を代用できる場合もあるため、無駄な再受診を防ぐ工夫も必要です。

健康管理システム「ハピネスパートナーズ」を活用すれば、以下のようなメリットがあります。

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  • 健康診断の対象者が簡単に抽出できる

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雇入時の健康診断で問題があった場合の対応

正社員と同様に、雇入時の健康診断で健康上の問題が見つかっても、それを理由に契約社員の雇用を取り消すことはできません。

健康診断の結果を踏まえ、契約社員の健康状態に適した業務へ配置を調整することが求められます。

契約社員個人にとってのメリット

健康診断によって疾病を早期に発見し、適切な治療や予防措置を講じることで、以下のような効果が期待できます。

  • 疾病の早期発見

  • 早期介入による重症化の防止

  • 健康意識の向上

事業者にとってのメリット

事業者視点のメリットとしては以下が挙げられます。・医療費負担を削減

  • 長期的な休職や離職の防止

  • 業務効率の向上

  • ミスの削減

このように、契約社員が健康診断を受けることで得られるメリットは、結果的に事業者側のメリットにもつながるのです。

契約社員の健康診断でよくある疑問

契約社員の健康診断を実施する際、よくある疑問とその対応方法をまとめました。

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1年未満の有期契約の場合は?

3か月や6か月など、1年未満の短期契約の契約社員に対しては、事業者は雇入時健康診断や定期健康診断を受診させる義務はありません。

ただし、雇用期間が延長され、新たな契約を結んだ結果、通算の雇用期間が1年以上となる場合は健康診断が必要になります。

契約社員の雇用形態や契約期間を正確に把握し、健康診断の実施漏れがないように注意しましょう。

労働時間が年間で変動する場合は?

確定申告時期の税理士事務所の事務員や、インフルエンザ流行時期の看護師など、繁忙期のみ労働時間が長くなる職種があります。

このようなケースでは、所定労働時間が4分の3以上になる時期とならない時期があるため、健康診断の実施判断が難しくなることがあります。

判断に迷った場合には、事業所所在地の都道府県労働局や労働基準監督署へ相談しましょう。

健康診断は勤務時間内に行うべき?

労働者の健康確保は、事業の円滑な運営に不可欠な要素であるとされています。

特殊健康診断の場合は「所定労働時間内に実施することが原則」とされています。

一方、一般健康診断の場合は、業務遂行との直接的な関連があるわけではありませんが、受診にかかった時間の賃金を事業者が支払うことが望ましいとされています。

契約期間は1年未満だが契約が自動更新

契約期間が1年未満の契約社員でも、契約の更新が自動更新となっている場合、無期契約労働者とみなされる可能性があります。その結果、1年以上雇用される労働者と同じ扱いとなり、健康診断の受診が必要になります。

契約社員を雇用する際は、契約更新の方法について慎重に検討することが重要です。

健康診断を拒否する契約社員への対応

事業者には健康診断を実施する義務がありますが、対象となる契約社員にも健康診断を受診する義務があります。

しかし、契約社員が個人的な事情で健康診断を拒否する場合も考えられます。

対応策

  • まずは、健康診断の受診義務があることを丁寧に説明し、説得する

  • どうしても拒否される場合は、業務命令違反として、懲戒処分の対象とすることが可能。

あらかじめ健康診断の受診義務について就業規則に明記しておくと、トラブルを未然に防ぐことができます。

まとめ

契約社員でも、所定の条件を満たせば正社員と同じように健康診断を受診する必要があります。また、受診後の対応も正社員と同様です。

しかし、契約社員は入れ替わりが激しく、雇い入れの時期も一定ではないため、健康診断の管理が難しくなる傾向があります。それでも、法律や規制により実施が義務づけられているため、対象となる契約社員は必ず受診させる必要があります。

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