ストレスチェックとは何か
ストレスチェックは、企業が用意した質問票に労働者が回答し、自身のストレス状態を客観的に把握するための検査です。これを定期的に行うことで、次のような効果が期待されます。
労働者自身がストレスに気づき、メンタル不調の予防につながる
部署や職場単位の集団結果を分析し、職場環境の改善に活かせる
つまり、ストレスチェックは 「個人の心の健康」と「職場全体の改善」 の両方を目的とした重要な取り組みといえます。
ストレスチェック制度は、単に労働者の状態を確認するだけでなく、職場全体のストレス状況を見える化し、改善につなげる点に大きな意義があります。
これにより、
組織全体の生産性向上
労働環境の健全化
安全で安心できる職場づくり
といった効果が期待されます。まさに、国が推進する「心の健康を守るための重要施策」のひとつです。
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2028年までにすべての事業場でストレスチェックの実施が必須となる見込み
ストレスチェックは、従業員が50人以上いる事業所では、労働安全衛生法によって実施が義務付けられています。
さらに、2025年5月に行われた労働安全衛生法および作業環境測定法の改正により、2028年までに企業規模を問わず、すべての事業場でストレスチェックの実施が義務化されることが決まりました。
そのため、これまで努力義務とされていた従業員50人未満の事業所も、今後は実施体制を整える必要があります。
参考:厚生労働省「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)の概要」https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001497667.pdf
ストレスチェック義務化の背景、目的
ストレスチェックをすべての事業場に義務化する法改正が成立した背景には、大きく分けて3つの要因があります。
精神障害による労災の増加
厚生労働省が公表した「過労死等の労災補償状況(令和6年度)」によると、
精神障害の労災補償請求件数:3,780件(前年より205件増)
支給決定件数:883件(同173件増、過去最多)
と報告されています。
職場での強いストレス、ハラスメント、長時間労働が要因となる精神障害による労災は、年々深刻化しています。こうした背景から「予防の観点でストレスチェック制度を強化すべき」という必要性が高まりました。
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参考:厚生労働省「令和6年度「過労死等の労災補償状況」を公表します」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_59039.html
小規模事業場でのストレスチェック実施率の低さ
厚労省の「ストレスチェック制度実施状況(令和5年)」によれば、実施率は事業場の規模によって大きく差があります。
労働者が10〜29人規模の事業場での実施率は33.1%、30〜49人規模では41.8%
特に50人未満の事業場では、法律上「努力義務」にとどまっていたため普及が進まず、制度の定着に課題が残りました。その結果、努力義務では不十分と判断され、すべての事業場での義務化に踏み切られたのです。
参考:厚生労働省「ストレスチェック制度 の実施状況(令和5年)」https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001431177.pdf
政策目標との乖離
厚労省は「第14次労働災害防止計画(令和4〜8年度)」において、
小規模事業場(50人未満)のストレスチェック実施率を2027年度までに50%以上に引き上げるという数値目標を掲げています。
しかし現状の実施率は目標に遠く及ばず、努力義務のままでは改善が難しいことが明らかになりました。このままでは政策目標を達成できないため、法改正によって義務化に踏み切ったのです。
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参考:厚生労働省「労働災害防止計画について」https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000197308.html
小規模事業所のストレスチェック実施手順
小規模事業所でも、ストレスチェックの実施手順は従来通りで大きな変わりはありません。
方針・方法・役割決めなどの導入準備、質問票の配布、評価、結果の通知、保存というストレスチェックの実施、面接指導・就業配慮、職場環境改善(努力義務)という流れで行います。
それぞれについて、詳しく説明します。
関連記事:企業のストレスチェック実施手順|準備から報告まで徹底解説
1.導入前の準備
方針の明示:「メンタル不調を防ぐためにストレスチェックを行う」と会社として公表する。
実施方法の決定(衛生委員会で協議)
・実施者・実施時期・質問票内容
・高ストレス者の選定基準
・面接指導を依頼する医師
・集団分析の方法、結果の保存先
決定内容は社内規程として明文化し、全社員に周知。
役割分担の決定
・制度全体の管理者
・実施者(医師・保健師・心理専門職など)
・実施事務従事者:データ入力や結果送付などを行います。人事権を持つ人は選任不可です。
・面接指導を担当する医師
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2.ストレスチェックの実施
質問票の配布と記入:国推奨の57項目票か、自社で作成した質問票を利用します。紙・オンラインどちらでも実施可能です。
質問票の回収:実施者または事務従事者が回収します。人事部や第三者が内容を見てはいけません。
ストレス度の評価:自覚症状が強い人、環境やサポートが極端に乏しい人を「高ストレス者」と判定します。
結果通知:実施者が本人に直接通知します。事業場は本人の同意がなければ結果を見られないきまりです。
結果の保存:実施者(または従事者)が厳重に管理します。第三者が閲覧できないように保護します。
3.面接指導と就業上の措置
申出と実施:高ストレスと判定された労働者が申し出た場合、1か月以内に医師の面接指導を実施します。
医師の意見聴取:労働時間の調整など就業上の措置を講じます。面接後、1か月以内に意見を聴く必要があります。
記録の保存:面接指導の結果は5年間の保存が必要です。実施日、労働者名、医師名、勤務・ストレス状況、医師の意見を記録します。
4.職場分析と環境改善(努力義務)
集団分析
部署やチーム単位で結果を集計します。匿名性を保つため、対象の集団は10名以上であることが原則です。対象集団が10名未満の場合は全員の同意が必要となります。
改善活動
集計結果をもとに、職場環境を改善します。毎年繰り返すことで変化を把握でき、メンタル不調を予防します。
以上がストレスチェックの具体的な手順になります。
ストレスチェックは、単なる形式的な調査ではなく、社員の健康と職場の安全を守るための仕組みとして活用することが大切です。
関連記事:ストレスチェックの分析完全ガイド|集団分析の目的から職場改善への活用法まで
小規模事業所のストレスチェックで利用できる助成金
小規模事業所のストレスチェック実施には、助成金を受けられる場合があります。
ストレスチェックの実施には一定のコストがかかりますが、条件を満たせば国から助成金を受けられる可能性があります。ここでは代表的な2種類の助成金について解説します。
ストレスチェック助成金
従業員50人未満の事業場が対象です。ストレスチェックを年1回実施し、さらに医師による面接指導や意見陳述を行った場合に支給されます。
受給条件の例
労働保険の適用事業場であること
常時使用する従業員が50人未満(派遣含む)であること
医師と契約し、ストレスチェックや面接指導を実施する体制が整っていること
実施者は自社従業員以外であること
助成額(上限)
ストレスチェック実施費用:従業員1人につき500円
医師による活動費:1回21,500円(最大3回まで)
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職場環境改善計画助成金
ストレスチェック後の集団分析結果を活用し、専門家の指導を受けながら職場改善に取り組む事業場に支給されます。
AコースとBコースがあり、利用できる専門家や支給額が異なります。
【Aコース】専門家の指導を受けて改善を目指すパターン
対象:産業医や保健師、心理職、社会保険労務士など専門家と契約して改善計画を実施した場合
支給額:最大10万円(うち設備費は5万円まで、単価5万円以内)
【Bコース】メンタルヘルス対策促進員の支援を受けて改善を目指すパターン
対象:産業保健総合支援センターが派遣する「メンタルヘルス対策促進員」の支援を受けて改善計画を実施した場合
支給額:最大5万円(設備費のみ、単価5万円以内)
いかがでしたでしょうか。いずれの助成金も「労働保険適用事業場」であることが必須条件です。集団分析の後、専門家の指導、改善計画の実行という流れを踏む必要があります。小規模事業場の負担を軽減し、職場環境改善とメンタルヘルス向上を国が後押しすることが制度の目的です。
参考:厚生労働省「産業保健関係助成金」 https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000208767.pdf
ストレスチェックをしなかった場合どうなるか
義務と罰則の正しい理解を
まず大前提として知っておきたいのは、労働者には受検の義務がないということです。
ストレスチェックはあくまで労働者の自由意思に基づくものであり、受検を強制してはいけないと法律で定められています。そのため、労働者が受けなくても罰則は一切ありません。
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事業者には実施義務がある
一方で、事業者にはストレスチェックを実施する義務があります。
労働者が50名以上いる事業場では、労働安全衛生法第66条の10に基づき、年1回の実施が義務付けられています。
ただし、未実施でも直接的な罰則はありません。
しかし、ストレスチェックを行わなかった場合には、労働契約法第5条に規定された「安全配慮義務違反」とみなされる可能性があります。これは、事業者が労働者の安全と健康を守るために必要な配慮を行う責任を意味します。
関連記事:ストレスチェック導入マニュアル|準備から実施までの全手順を解説
実施後の報告義務に要注意
ストレスチェックを実施した後、その実施状況を労働基準監督署へ報告する義務があります。
もしこの報告を怠った場合には、罰則が科される可能性があるため、注意が必要です。
まとめると、
労働者:受検は自由、罰則なし
事業者:実施は義務、未実施は安全配慮義務違反となる可能性あり
報告:労基署への報告を怠ると罰則あり
この点を正しく理解し、制度を適切に運用することが重要です。
ストレスチェックは企業の安全配慮義務や報告義務と密接に関わる制度です。事業者としては制度を正しく理解し、適切に運用することが求められます。
ストレスチェックの外部委託にまつわる公的提言
ストレスチェック外部委託の現状
現在、ストレスチェックを外部機関に委託している事業場は全体の7割を超えています。
委託先として最も多いのは健診実施機関(約4割)、次いでEAP(従業員支援プログラム)機関です。
特にプライバシー保護の観点から、結果や個人情報の管理を含めて外部機関を活用するケースが増えています。
関連記事:ストレスチェックの外部委託ガイド|メリット・デメリットから業者の選び方まで
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公的機関の見解
厚生労働省の「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会」では、次のように示されています。
50人未満の事業場においては、産業医がおらず適切な情報管理等が困難な場合もあるので、原則として、ストレスチェックの実施は労働者のプライバシー保護の観点から外部委託することが推奨される。
つまり、大規模事業場では効率性・安心感から、小規模事業場ではプライバシー確保のために、外部委託が有効な手段といえます。
参考・引用:厚生労働省「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会 第7回資料」https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44232.html
【年間1,400社以上の導入実績】職場のストレスチェック+plus
まずは厚生労働省の推奨どおり、ストレスチェックの外部委託を活用して実施していきましょう。
委託先の中でも、職場のストレスチェック+plusがおすすめです。
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職場のストレスチェック+plusが選ばれる理由
職場のストレスチェック+plusの活用で労働安全衛生法に基づく義務をスムーズに果たすことができ、最短10営業日で導入可能です。報告書作成や労基署への提出もシステムで完結できるため、コンプライアンスリスクを最小限に抑えることができます。さらに、従業員の健康を大切にする姿勢は「安心して働ける環境を整える企業」としてのブランド価値を高め、採用活動や優秀な人材の定着にも直結します。
ここでは、職場のストレスチェック+plusの特徴について解説します。
コストを抑えての導入が可能
はじめてストレスチェックを導入する企業様にも安心。
コストパフォーマンスに優れた料金プランで、気軽にスタートできます。
関連記事:【2025年最新】ストレスチェックの料金相場は?外注費用と内訳を徹底解説
システムで管理から分析まで一括対応
受検状況の確認、未受検者へのリマインド、組織分析、労基署提出用の報告書作成までをすべてシステム上で完結します。人事・総務担当者の負担を大幅に軽減できます。
専門家による安心のサポート
臨床心理士などの専門家によるフォローアップをオプションでご用意。
実施後のケアまでトータルにサポートできる体制を整えています。
その他の機能・サービス
職場のストレスチェック+plusでご提供できる機能やサービスには、次のようなものがあります。
実施形式を自由に選択可能:Web版・紙版・併用に対応しています。
設問数も柔軟に対応:57項目・80項目・カスタマイズ設問に対応しております。
多言語対応:英語(紙版のみ)対応可能です。
結果活用がスムーズ:システム上で集団分析や面談申込も簡単です。
スピーディーな導入:最短10営業日でスタート可能です。
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