健康診断結果の会社での保管方法や保存期間・注意点を解説 読み込まれました

健康診断

公開日:

2025/03/18

更新日:

2025/11/21

健康診断結果の会社での保管方法や保存期間・注意点を解説

エムスリーヘルスデザイン編集部(産業医監修)

健康診断結果の会社での保管方法や保存期間・注意点を解説

健康診断結果は「見て終わり」ではありません。会社として保存する必要があります。この記事では健康診断結果の保存期間についてや保存までの流れ、さらには取り扱いの注意点などを解説します。健康診断結果の取り扱い方が分からない方は是非参考にしてください。

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健康診断結果の保存期間

健康診断結果の保存期間は一般健康診断と特殊健康診断で異なります。

それぞれについて、詳しく解説していきましょう。

一般健康診断

一般健康診断の保存期間は5年です。

この期間は労働基準法第109条と労働安全衛生法第66条の3にて定められているものです。

「雇入れ時の健康診断」と「定期健康診断」のいずれにおいても下記の11項目の検査の診断結果を5年保存することになります。

  • 既往歴及び業務歴の調査

  • 自覚症状及び他覚症状の有無の検査

  • 身長、体重、腹囲、視力及び聴力の検査

  • 胸部エックス線検査及び喀痰検査

  • 血圧の測定

  • 貧血検査(血色素量及び赤血球数)

  • 肝機能検査(GOT、GPT、γ‐GTP)

  • 血中脂質検査

  • 血糖検査

  • 尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)

  • 心電図検査

定期健康診断では既往歴から、医師の判断で項目が省略されることもあります。また、再検査を受けるかの判断は従業員にゆだねられているため、再検査結果の保存は義務付けられていません。ただし、「従業員の健康管理」の観点からは、再検査結果を保存することが望ましいでしょう。

特殊健康診断

事業所の従業員常時使用する労働者に受診義務がある一般健康診断に対し、特殊健康診断は健康に有害な影響を及ぼすリスクのある業務に従事している労働者を対象にしたものです。業務内容によって受診経験が異なるものですが、特殊健康診断の結果も保存期間が定められています。

ただし、特殊健康診断の種類によって保存年数が異なります。主な特殊健康診断の種類と保存期間は以下のとおりです。

  • 有機溶剤健康診断:5年

  • 鉛健康診断:5年

  • 四アルキル鉛健康診断:5年

  • 特定化学物質健康診断:5年(特別管理物質は30年)

  • 高気圧業務健康診断:5年

  • 電離放射線健康診断:30年

  • 除染等電離放射線健康診断:30年

  • 石綿健康診断:40年

  • じん肺健康診断:7年

特殊健康診断を必要とする事業者は、自社が必要な特殊健康診断の種類や保存期間をそれぞれ把握しておきましょう。

健康診断の結果を保存するまでの流れ

健康診断の結果を保存するまでの流れは以下の3つの手順となります。

  • 従業員への通知

  • 産業医と事後措置の実施

  • 所轄監督署に報告

それぞれ流れを解説していきましょう。

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従業員への通知

健康診断の結果は従業員に通知する必要があります。

健康診断の結果は一般的な表記方法の一例としてA~Eまでの5段階判定があります が、例え全ての項目がA判定、つまりは異常なしであっても通知する必要があります。

産業医等と事後措置の実施

事業者は健康診断の結果に基づき、産業医等の意見を聴いた上で必要な措置について医師の意見を勘案し、就業上の措置を講じる必要があります。

ストレスチェックの結果や月間労働時間など、従業員の労働環境・状況をふまえて措置を講じます。

所轄監督署に報告

従業員が50人以上の事業所の場合、定期健康診断結果報告書を提出する義務があります。定期健康診断結果報告書には、所轄監督署に対象年、健康診断年月日、受診労働者数や所見人数、医師の指示等が含まれます。

健康診断結果の取り扱い注意点

健康診断結果を取り扱うにあたっては、以下の5点への注意が必要です。

  • 産業保健スタッフ以外は必要最小限の取り扱いを

  • 遅延することなく結果を通知する

  • 退職者の健康診断結果も決められた期間内は保管する

  • 派遣労働者の健康情報は派遣元事業者が保管する

  • 定期的な確認と更新

それぞれについて、詳しく解説していきましょう。

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産業保健スタッフ以外は必要最小限の取り扱いを

健康診断結果は個人情報です。そのため、産業保健スタッフ以外の人間が触れる機会のないよう留意する必要があります。

厚生労働省も、健康診断結果の公開範囲を利用目的の達成に必要な範囲内に限定するようアナウンスしています。従業員の健康状態の把握は事業所の健康経営においても大切なことではありますが、同時に個人情報でもあるため「誰でも簡単に閲覧可能な状態」は好ましくありません。

具体的には紙で保管するのであれば保管している部屋のセキュリティーを厳重なものにしたり、上司の許可を必要にしたり、あるいは健康管理システムを活用し、アクセスできる人間を限定するなどの措置が求められます。

遅延することなく結果を通知する

健康診断結果は労働安全衛生規則によって「遅延なく通知する」ことが定められています。

遅延なく結果を通知する理由として、病気の早期発見に繋がるからです。

また、過去に健康診断結果の通知が遅かったことで症状が悪化したことで、通知の遅さを理由に損害賠償を訴えた裁判が行われたことがありました。通知期間の具体的な記載はありませんが、できる限り早く対応するよう心がけましょう。

退職者の健康診断結果も決められた期間内は保管する

従業員だけではなく、退職者の健康診断結果も保管する必要があります。

健康診断結果だけではなく、退職者の労働者名簿、賃金台帳等の保存は法律で定められています。健康診断の個人票に関しては労働安全衛生規則にて退職から5年間保管することが定められています。さらに、特化則39条において特定化学物質第1類、第2類を取り扱っている場合は30年間の保管義務が生じます。

しかし退職した従業員にとっては、かつて在籍していた職場ではあっても、退職した以上は「無関係」だと考えがちです。そのため「無関係な職場がいつまでも自分の個人情報を保管している」ことに抵抗感を覚える人もいますが、法律で定められている点であることを理解してもらえるよう、確認・通知しておきましょう。

派遣労働者の健康情報の保管主体について

近年定着している「派遣労働」の場合、派遣先ではなく派遣元が責任を負います。そのため、一般健康診断情報の保管は派遣先に責任はありません。

ただし、特殊健康診断に関しては実施及び記録の保存は派遣先企業の義務で す。この場合、派遣元の事業者は派遣先企業から送付された特殊健康診断の結果を保存しておくことになります。

特殊健康診断が不要な職場であれば「派遣元企業の責任」と覚えておけばよいのですが、特殊健康診断がある場合については注意が必要です。派遣労働者とはもちろん、派遣労働者の派遣先と円滑な関係を構築・維持するためにもこの点の理解・共有が大切です。

定期的な確認と更新

健康診断結果の法定保存期間が過ぎた後は、適切に処分することが求められます。

事業所側としても場所・ファイリング等、保存のためのリソースが必要になることから、定期的に見直しを行い、法定保存期間が過ぎているものは処分しましょう。

いつまでも保存したままでは、やがては保存するスペースを確保できなくなります。

ただし処分する際には、個人情報保護法に基づき、適切に処分することが求められます。例えば、シュレッダーにかけたり、電子データであればデータの完全な消去したりするなど、他人が取得できないよう配慮しての処分が求められます。ゴミとして廃棄したものの、他の人に見られたり、あるいは紛失して個人情報を悪用されることのないよう、処分も丁寧に行う必要があります。

把握しておくべき健康診断に関する法律

健康診断の結果の保存は法律で定められたものです。

その根拠となる法律は、下記の2つです。

  • 労働安全衛生法

  • 個人情報保護法

上記に関しては事業者として理解しておくことが大切です。

それぞれについて、詳しく解説していきましょう。

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労働安全衛生法

労働安全衛生規則は2017年に健康診断結果の医師への報告義務 が強化される等、改正されました。結果、事業者は産業医に対して労働者の健康管理等に必要な情報を提供する義務が明確化されました。

具体的に情報提供が必要な項目は下記のとおりです。

  • 労働者の作業環境

  • 労働時間

  • 作業態様

  • 作業負荷状況

  • 深夜業の回数や時間

改正された理由の一つに、過重労働での健康損失防止やメンタルヘルス対策が挙げられます。産業医が必要な措置を行うためのもので、この改正を根拠に、産業医が従業員の勤務状況を把握したうえで、事業者に対して必要な勧告をすることができます。

事業者は、先にお伝えした項目に関しては産業医に必要な情報を提供する義務が課されていることを把握しておきましょう。

個人情報保護法

個人情報保護法は2015年に改正法が成立されたことで、より具体的に、「個人情報」の範囲が決まりました。

健康診断記録は「要配慮個人情報」として導入されたことで、原則として本人の同意がなければ取得できない情報となりました。 つまり、第三者が勝手に確認できる情報ではなく、「本人の同意が必要な大切な情報」なので適切な保管が求められます。

誰でも閲覧できる場所に放置したり、あるいはデータではあっても誰もがアクセスして確認できる状態は個人情報保護法に適切な安全管理措置を講じていない状態です。

健康診断結果は「個人情報保護法及び労働安全衛生法等の関連法規に基づいて丁重に保管される情報」であることを認識しておきましょう。

健康診断結果の保存はシステムを活用しよう

健康診断結果の保管は健康管理システムの利用がおすすめです。

紙で健康診断の記録を保管する場合、保管スペースが必要になる点に加え、確認作業に多大なリソースを消費することになります。

例えば「退職したAさんの保存期間を調べたい」と思ったら、従業員の健康診断情報が保管されている場所まで足を運び、膨大な書類の中から該当社員の健康診断情報を探して確認しなければなりません。

一方、システムを活用し、反映させていれば足を運ぶ必要もなければ、膨大な量をすべて確認する必要もありません。該当社員の情報を検索して確認するだけで、いつまで保管すべき情報なのかを把握できます。

この点だけでもリソースの削減が可能であることが分かっていただけるのではないでしょうか。

また、個人情報保護の観点からもシステムがおすすめです。

健康管理システム「ハピネスパートナーズ」であれば、アクセス権限を設定できます。

紙での管理であれば、閲覧制限をするために保管室に別途セキュリティーを設定したり、許可制にしたりするなどリソースが求められますが、ハピネスパートナーズであれば設定だけでセキュリティーを確保し、個人情報保護法に則った保管が可能です。

健康管理システム「ハピネスパートナーズ」でできること

健康診断情報の保管はもちろんですが、ハピネスパートナーズは効率的な健康管理のためのさまざまなサポートが用意されています。

例えば紙からデータ移行作業をサポートしているので、IT環境に不慣れな事業所でも、データ化が可能です。

また、健診管理機能については、受診・予約、集計・結果管理、保健指導・健康増進施策いずれもカバーした機能を備えています。

効率的な健康管理に興味はあるものの、何からはじめればいいかわからない、社内にノウハウがない、相談できる相手がいないなどの悩みを抱えている方は、まずは健康管理システム「ハピネスパートナーズ」をご検討ください。

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まとめ

健康診断結果は保存期間はもちろん、その取扱いも法律に定められているものであることが分かっていただけたのではないでしょうか。

さらには「丁重に取り扱わなければならない個人情報」でもあります。リソースがない、知らなかったは許されません。法律に基づいて適切に保管しなければならないものです。

それまでの保管環境では丁重に取り扱えない、あるいはリソースが足りない場合には、健康管理システム等を活用し、適切に運用できる環境を整えましょう。

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