メンタルヘルスケアの定義とその重要性厚生労働省が令和7年に公表した「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や職業生活において強い不安・悩み・ストレスを感じている労働者は、全体の約7割にのぼります。ストレスが蓄積すると、メンタルヘルス不調などの精神的な健康課題を招く恐れがあり、休職や離職につながることもあります。こうした状況は、職場の生産性を大きく低下させる要因となるほか、職種によっては集中力の低下が労働災害を招き、重大な事故につながるおそれもあります。さて、部下の不調に、管理職はどこまで気づけているでしょうか。本人が「大丈夫です」と言っている以上、問題ないと判断してしまう。しかし後になって、突然の休職や退職という形で表面化する――企業現場では、こうしたケースが珍しくありません。こうしたリスクを減らすために、企業にはラインケア、ストレスチェック制度など、複数のメンタルヘルス対策が用意されています。この記事では、メンタルヘルスケアのうち、ラインケアについて詳しく解説します。「メンタルヘルス不調者対応の勘所」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します出典:厚生労働省「令和6年労働安全衛生調査(実態調査)」個人調査 結果の概要https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r06-46-50_kekka-gaiyo02.pdf管理監督者によるラインケアの必要性とそのメリット管理監督者の「安全配慮義務」ラインケアの説明に移る前に、管理監督者に課された健康配慮の義務についてご説明します。部長や課長といった管理監督者は、事業主から権限を託され、従業員に対して業務上の指示や判断を行う立場にあります。その権限のもと、日々の業務を指示・統括するだけでなく、成果や姿勢を評価する重要な役割も担っています。一方で、管理監督者に求められる責務は業務管理にとどまりません。部下である従業員の心身の健康に目を配り、適切に配慮することも欠かせない役割の一つです。これを、「安全配慮義務」といい、労働契約法第5条で義務付けされています。そのためには、まず従業員一人ひとりの健康状態や変化に気づき、正しく把握することが出発点となります。参考:厚生労働省「e-ラーニングで学ぶ 15分でわかるラインによるケア」https://kokoro.mhlw.go.jp/linecare/data/e-learning.pdfラインケアを含む4つのメンタルヘルスケアラインケアを含むメンタルヘルスケアは、職場における心の健康を守るための体系的な取り組みです。日本では、厚生労働省が示す枠組みに基づき、次の4つのケアとして整理されています。セルフケア:従業員自身がストレスに気づき、対処する力を養うこと。例:睡眠・運動・相談行動、ストレスチェック結果の活用ラインケア(管理職によるケア):上司が部下の健康上の変化に気づき、不調の早期発見を行い、治療につなぐこと。例:声かけ、業務調整、専門家への橋渡し事業場内産業保健スタッフによるケア:産業医・保健師・人事労務が専門的に支援するメンタルヘルスケア。例:面談、就業配慮、復職判定の助言事業場外資源によるケア:社外の専門機関の活用によるケア。例:EAP、医療機関、カウンセリングこれら4つのケアが相互に機能することが理想ですが、特に部下と最も接点が多い現場の管理職による「ラインケア」は、不調の早期発見・早期対応における最前線の役割を担っています。エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードするラインケアのメリットラインケアを確立させることで、企業は従業員の不調の早期発見ができ、休職・離職の予防につながり、また、職場の安心感・信頼関係が高まるというメリットがあります。ラインケアの具体的な実施方法では、実際のラインケアの手順についてみていきましょう。部長や課長といった管理監督者がしなければいけないのは、具体的には次の3つの手順です。気づく声をかけ、つなぐ支える順にみていきましょう。気づくあなたの部下には、こんな様子はありませんか。勤怠に関して、遅刻、早退、欠勤が増える残業、休日出勤が不釣り合いに増える休みの連絡がない(無断欠勤がある)仕事に関して、仕事の能率が悪くなる業務の結果がなかなかでてこない報告や相談、職場での会話がなくなる行動に関して、表情に活気がなく、動作にも元気がない不自然な言動が目立つミスや事故が目立つ服装が乱れたり、衣服が不潔であったりする部下の健康状態を把握するうえで重要なのは、管理監督者が「普段とは違う様子」にいち早く気づけるかどうかです。そのためには、日常の部下の姿をきちんと理解しておくことが欠かせません。違和感は、これまでと異なる行動や態度の変化として現れることが多いものです。日頃から、部下の仕事の進め方や振る舞い、周囲との関わり方に目を向けておくことが、早期の気づきにつながります。管理職の主観だけに頼らず、システムで予兆を検知する仕組みも有効です。健康管理システム「ハピネスパートナーズ」なら、勤怠データや過去の健診結果をダッシュボードで可視化。変化の兆しを自動アラートで通知し、手遅れになる前の対策を支援します。健康管理システム「ハピネスパートナーズ」資料をダウンロードする声をかけ、つなぐ「普段と様子が異なる」部下が見られた場合、管理監督者には労務管理の観点から何らかの対応を取ることが求められます。もっとも、その変化の背景に体調不良や心の病気が関係している可能性も否定できません。そのため、安易に判断せず、医療的な視点での確認が必要になります。病気かどうかを見極める役割は、産業医またはそれに準ずる医師が担うものです。その橋渡しとして、管理監督者がまず部下の話に耳を傾け、産業医の受診を勧める、あるいは管理監督者自身が産業医に相談できる体制を、あらかじめ職場に整えておくことが重要です。事業場によっては、保健師や看護師、公認心理師、衛生管理者、産業カウンセラー、臨床心理士、心理相談担当者などの産業保健スタッフが、産業医との連携役として関わるケースもあります。こうした専門職を活用することも、適切な支援につながります。声をかける際には、「最近残業が続いているね。体調は大丈夫?」など、評価ではなく事実と心配を伝えることがポイントです。部下の不調に気づいた際、管理職が一人で抱え込む必要はありません。エムスリーヘルスデザインのEAPサービスなら、外部の専門家が24時間体制で相談を受け付けるほか、管理職向けのコンサルティング(ラインケア支援)も充実。相談回数は無制限で、ご家族も利用可能です。プロへの「つなぎ先」をあらかじめ用意しておくことで、組織全体のレジリエンスが向上します。「どこに繋げばいいか分からない」という不安は、管理職の早期対応を鈍らせます。エムスリーヘルスデザインのEAPサービスは、相談回数無制限で本人だけでなく家族も利用可能。臨床心理士等の専門チームが24時間体制でバックアップするため、管理職は安心してプロへバトンを渡すことができます。エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードする支える声をかけ、つないだ後にも、管理監督者がすべきことは残っています。それは、業務上の配慮を行ったり、その後の様子を定期フォローしたりすることです。具体的には、残業の禁止や業務量の削減、あるいはストレス要因から物理的に距離を置くための配置転換などが検討されます。これらは産業医の意見書に基づき、慎重に決定する必要があります。なお、全てのステップで、個人情報に十分に配慮するよう留意しましょう。参考:厚生労働省「e-ラーニングで学ぶ 15分でわかるラインによるケア」https://kokoro.mhlw.go.jp/linecare/data/e-learning.pdfストレスの把握にストレスチェックを有効活用とはいえ、従業員のストレスに気づかなければラインケアは始まりません。そこで、年1回の実施が義務化されているストレスチェックを有効活用し、従業員のストレスの具合を把握することが推奨されます。ストレスチェックは、企業が用意した質問票に労働者が回答し、自身のストレス状態を客観的に把握するための検査です。これを定期的に行うことで、次のような効果が期待されます。労働者自身がストレスに気づき、メンタル不調の予防につながる部署や職場単位の集団結果を分析し、職場環境の改善に活かせるつまり、ストレスチェックは 「個人の心の健康」と「職場全体の改善」 の両方を目的とした重要な取り組みといえます。また、ストレスチェック制度について、厚生労働省の検討会において、これまで努力義務だった従業員50人未満の事業場についても、ストレスチェックの実施を義務化する方針が固まりました。数年以内の法改正・施行が見込まれており、早期の準備が求められています。ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードする「職場のストレスチェック+plus」でメンタルヘルス不調を早期発見そこでおすすめなのが、エムスリーヘルスデザインの「職場のストレスチェック+plus」です。職場のストレスチェック+plusでは、単に検査を行うだけではありません。その結果を活かしてメンタルヘルス不調による休職をできるだけ防ぐために、臨床心理士などの専門家による実践的なアフターフォローを提供しています。主な支援内容は次の3つです。ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードするアナリストレポート経験豊富な心理職スタッフが、ストレスチェックの集計結果を分析し、課題に応じた改善プランを提案します。また、安全衛生委員会などでのオンライン報告会にも対応しており、現場での共有・議論をスムーズに進めることができます。オンラインセミナー企業や官公庁での研修実績を持つ講師陣が、ヘルスリテラシー向上を目的とした教育プログラムを実施します。内容は職場の課題に合わせてカスタマイズが可能で、たとえば次のようなテーマが人気です。職場メンタルヘルスと管理職の役割ストレスマネジメントの基本と実践方法EAPサービス(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)心理・医療・産業分野の専門家チームが、従業員と組織の両面から健康を支える仕組みづくりを包括的にサポートします。相談体制の整備や教育、意識啓発まで、継続的に支援を行います。ストレスチェックは「実施すること」が目的ではありません。結果をどう活かすかこそが、従業員の健康を守り、働きやすい職場をつくるための鍵です。「職場のストレスチェック+plus」なら、検査から職場改善、教育までを一括で支援。法改正への対応準備や、従業員のメンタルヘルス対策にお悩みの方は、導入実績豊富なエムスリーヘルスデザインへご相談ください。貴社の規模や課題に合わせた最適なプランを無料でご提案いたします。効率的かつ実効性のあるメンタルヘルス対策を、今すぐ始めてみませんか。メンタル不調の予防と早期対応にはエムスリーヘルスデザインのEAPまた、エムスリーヘルスデザイン社では、ストレスチェック委託と併用できるEAPサービスを提供できます。エムスリーヘルスデザインのEAPサービスでは、メンタル不調の予防と早期対応に特に力を入れています。まず、人事・管理職の方々には、専任の心理士が企業や組織の環境改善について具体的な提言を行います。さらに、メンタル面に課題を感じながら働く従業員に対し、専門家とのカウンセリングを通じて心の健康維持や早期の適切な対応をサポートします。また、ストレスチェック後の集団分析結果や現場の課題を踏まえた研修プログラムも提供。ラインケアに特化した内容はもちろん、セルフケアまで幅広くカバーします。企業・官公庁での豊富な研修実績を持つスタッフが、最適な内容で健康経営を力強く支援します。エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードする提供サービスの概要専門家による相談対応:公認心理師など資格を持つカウンセラーが、従業員の相談に応じ、安心できる支援を行います。人事・産業医との協働:個人対応にとどまらず、職場環境の改善へとつなげる仕組みを構築。ストレスチェックとの連動:制度導入後の高ストレス者面談や職場改善まで一貫してサポートします。充実したサポート体制メンタルヘルス以外の問題も回数無制限で相談可能専門家(国際EAPコンサルタント・臨床心理士・公認心理師など)が直接対応必要に応じて適切な専門機関へ紹介大阪・京都エリアでは訪問対応も可能職場復帰支援も万全事業場内のご担当者やご家族、主治医と連携し、円滑な職場復帰をサポートします。本人へのカウンセリング復職に向けた受け入れ態勢整備への助言・提案本人・上司・人事などを交えた復職前面談従業員の健康を守ることは、組織の成長を支える最も確かな投資です。エムスリーヘルスデザインのEAPとともに、健康経営への第一歩を踏み出してみませんか。エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードする