ワークエンゲージメントの重要性ワークエンゲージメント(Work Engagement)とは、仕事に対して前向きで充実した心理状態のことを指します。これは、従業員が「やらされている仕事」としてではなく、自分からエネルギーを注いで仕事に取り組めている状態です。近年では、ワークエンゲージメントという言葉は、単なる心理概念ではなく、経営指標や安全指標とされたり、人材戦略として重要視されています。ワークエンゲージメントを高めることで、仕事への自発性が向上し、生産性が向上するなど、企業の業績向上につながることが見込まれます。「ワーク・エンゲイジメント いきいきした職場づくりの方策」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移しますワークエンゲージメントとはワークエンゲージメントは、オランダ・ユトレヒト大学のウィルマー・B・シャウフェリ教授が提唱したことで注目され始めました。1970年代に医療・福祉・教育などの職業で「バーンアウト(燃え尽き症候群)」が社会問題になり、2000年代にバーンアウトの対極となる状態として「ワークエンゲージメント」が整理されました。ワークエンゲージメントの3つの主要要素ワークエンゲージメントを構成する要素は3つあります。ひとつが活力(Vigor)、もうひとつが熱意(Dedication)、さいごに没頭(Absorption)です。活力(Vigor)シャウフェリ教授の定義によると、ここでいう活力は「仕事中に高いエネルギーレベルを持ち、困難に直面しても粘り強く取り組める状態」と定義されます。活力は、単なるテンションの高さではないのが重要で、常に元気と言うよりは疲れても立て直せることを指します。また、気合いよりも、回復力、持久力をさす言葉で、年齢に依存せず、負荷があっても折れない状態を意味します。活力が高いと、個人レベルでは仕事の質が安定します。集中力が持続し、判断のブレが少なくなり、ミス後の立て直しが早くなります。また、活力が高まり感情の余裕が生まれます。チームレベルでは、声掛け、協力が増え、忙しくても助け合えたり、情報共有が自然に起こる職場を目指せます。組織レベルでは、「頑張らせる職場」ではなく「持続する職場」として、離職率や事故・インシデントが減少し、生産性と安全性が同時に上がることが期待できます。ハラスメントが減りうることも、従業員の活力の高い職場の特徴です。「経営視点から紐解く アブセンティーイズムとプレゼンティーイズム」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します参考:WORK ENGAGEMENT: A QUANTITATIVE REVIEW AND TEST OF ITS RELATIONS WITH TASK AND CONTEXTUAL PERFORMANCEhttps://mikechristian.web.unc.edu/wp-content/uploads/sites/13307/2016/11/Christian-et-al-2011-PPsych-Engagement.pdf熱意(Dedication)熱意の学術的定義は、「仕事に対して強い関与を感じ、意義・誇り・挑戦感を持っている状態」とされます。仕事に対するテンションや情熱の強さではなく、意味づけの深さがここでいう熱意の本質です。必ずしも熱血である必要はなく、冷静に、持続可能な意欲をさします。志が高いというよりは、現実的でも成立します。また、熱意は「内発的」な認知状態であり、外から命令して作るものではありません。熱意が生まれる理論としては、意味づけ(Meaning):仕事が「誰に」「どう役立っているか」、また、自分の価値観と仕事が繋がること一貫性(Coherence):評価と努力が一致していること誇り(Pride):専門性を尊重され、所属への肯定感があることがあります。熱意の高い従業員がいる職場では、仕事が「こなす」ものから「担う」ものに変わります。個人レベルでは、意味がある仕事は疲れても回復しやすいため、仕事が「消耗」になりにくく、目先の楽より本質を選ぶことで責任ある選択ができ、判断の質が上がります。熱意はブレーキとしても働くのです。また、勉強・改善が苦にならず、フィードバックを前向きに受け取ることで、成長行動が自然に増えることになります。チームレベルでは、標準やルールが形骸化しにくいことで仕事の「質」がそろい、なぜその判断をしたかの根拠があるので説明と共有が増えて事故が減ります。また、問題提起が建設的で、改善提案が生まれやすくなります。組織レベルでは、信頼と評判が積み上がりブランド力の向上が望めます。また、離職率が減ることも期待できます。さらに、仕事の誇りが暴力を抑制し、ハラスメント・逸脱が起きにくい職場につながります。没頭(Absorption)没頭の定義は、「仕事に深く集中し、時間が経つのを忘れるほど仕事に入り込んでいる状態」です。過集中やワーカホリックとは異なり、集中と回復を行き来し、視野が広く判断が精緻です。周囲が見えないのではなく、必要な情報は拾えて、中毒的でなく意味と目的をもって仕事にあたれることを指します。健全な没頭は「可逆的」であり、やめようと思えばやめられるのが特徴です。没頭は、活力があり、熱意がある前提で、課題の難易度が適切であり、目的が明確でフィードバックがある職場で、邪魔されにくい環境において生まれます。没頭レベルが高い人が職場にいると、個人レベルでは、判断の質が高く安定し、違和感に気づきやすくミスに強くなります。仕事の手応えがあることで自己効力感が高まります。チームレベルでは、判断理由が共有され、暗黙知が言語化されます。振り返りが機能し、同じミスを繰り返さないことで学習するチームになります。没頭があると反省が建設的になるのです。また、結果だけでなく背景を共有することで、コミュニケーションの質が上がります。組織レベルでは、インシデントが減り、安全性・品質が向上します。また、没頭レベルの高い人は「再現可能な仕事」をするため、教育・育成が回るようになります。さらに、判断基準が残ったり、ナレッジが更新されることで、人が変わっても崩れにくいような組織の知的資産が蓄積されるようになります。「ワーク・エンゲイジメント いきいきした職場づくりの方策」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します関連する用語とのニュアンスの違いワークエンゲージメントに似た用語には、従業員エンゲージメント、従業員満足度(ES)などがあります。それぞれに説明します。従業員エンゲージメント従業員エンゲージメントは、「従業員が自分の仕事・組織に対して自発的に貢献したいと思い、前向きに関与している状態」をさします。従業員エンゲージメントは、仕事でなく組織に向いた概念で、「この会社に関わり続けたい」という愛社精神や帰属意識に近い概念です。。従業員満足度(ES)従業員満足度は、働く環境・条件に対する満足・不満足の度合いをさします。また、従業員満足度は「仕事そのもの」よりも、職場を取り巻く条件を評価します。与えられているものへの評価になるので、ワークエンゲージメントとは反対で受動的であることが特徴です。なお、「モチベーション」は一時的・外的要因も多いやる気ですが、ワークエンゲージメントは持続的で内発的なやる気とされています。ワークエンゲージメントの測定方法世界的に最も標準的なのが、UWES(Utrecht Work Engagement Scale)という尺度です。シャウフェリ教授が開発し、活力・熱意・没頭の3要素からワークエンゲージメントを測定するもので、研究や企業、医療、教育などに利用されています。UWES-17が完全版で、活力6項目、熱意5項目、没頭6項目の17項目あります。研究や精密評価に向いています。UWES-9は、9項目の短縮版であり、実務で主流となっています。全9項目、各因子3問ずつの構成です。こちらの9項目版には、日本語版もあり、企業調査やストレスチェック併用に最適です。また、超短縮版として、各因子1問ずつのUWES-3も存在します。こちらは、健康診断や経年比較用として、大規模調査や簡易スクリーニングに向いています。「ワーク・エンゲイジメント いきいきした職場づくりの方策」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移しますストレスチェックとの関係厚労省ストレスチェックとの違いは、ストレスチェックは不調やリスクをスクリーニングし予防や保護のために実施する目的である一方、ワークエンゲージメントの測定は活力や強味を見出し活性化や成長を促すために行われます。ストレスチェックは高ストレス者をあぶりだしますが、限界があります。高ストレス者が少ないということが、すなわち良い職場であることに直結しない場合があるからです。実際は、ストレスが低い原因に、裁量がないことや、成長機会がないこと、また責任が軽すぎるといったこともあるからです。健全な職場は、「問題がない」かつ「活力がある」、この双方が揃って初めて成り立ちます。つまり、ワークエンゲージメント測定とストレスチェックは補完関係であり、ワークエンゲージメント測定が疲労や抑うつのチェックに弱い一方で、ストレスチェックではこのような健康障害の検出に強味をもっています。エムスリーヘルスデザインの「職場のストレスチェック+plus」では、標準のストレスチェックに加えてワークエンゲージメントを測定する設問のカスタマイズが可能です。受検後最短10営業日で結果を納品できるスピード感も強みで、迅速な改善アクションを支援します。ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードするワークエンゲージメント測定の活かし方ワークエンゲージメント測定の組織レベルでの活用は、個人評価ではなく「集団分析」が基本です。部署平均や職種別、年代別に調査をしたり、経年変化をみるために集団分析を行いますが、本音で正直に答えてもらうために人事評価・査定には使わないのが原則です。職場のストレスチェック+plusで職場環境をより良く整えるワークエンゲージメントについて、いかがでしたでしょうか。ワークエンゲージメントの測定は重要ですが、同時に、ストレスチェックの実施も職場環境の改善には重要です。また、ストレスチェックの実施は、労働安全衛生法に基づく義務であり、適切な運用体制を整えることが求められます。初めて導入する企業では、衛生委員会で話し合う質問票の選定や結果の管理方法、報告書作成などで手間取るケースも少なくありません。そのような課題を解消する手段としておすすめなのが、「職場のストレスチェック+plus」です。最短10営業日で導入可能なうえ、報告書作成から労基署提出までをシステム上で完結できるため、コンプライアンス上のリスクを抑えつつ、効率的に法令対応を進められます。さらに、従業員の健康維持への取り組みは、企業イメージの向上や優秀な人材の定着にもつながります。ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードする職場のストレスチェック+plusが選ばれる理由コストを抑えて導入できる:初めての実施にも適した料金設定で、費用対効果に優れています。スモールスタートで始めたい企業にも最適です。システムで一元管理・自動分析:受検者の進捗確認、未受検者へのリマインド、部署ごとの傾向分析、報告書作成まで、すべてオンラインで完結。人事・総務担当者の業務負担を大幅に軽減します。専門家によるフォローアップ:臨床心理士などの有資格者によるアフターフォローをオプションで提供。実施後のケアまでトータルで支援します。充実の機能・サービス実施形式を自由に選択:Web・紙・併用のいずれにも対応設問数の柔軟な設定:57項目・80項目・カスタマイズ設問を選択可能多言語対応:英語(紙版)での実施にも対応結果の有効活用:集団分析や面談申込をシステム上でスムーズに実施迅速な提供:申込みから最短10営業日で稼働確かな実績:年間1,400社を超える導入実績ワンストップ支援:検査・分析・報告・アフターケアまで一括対応また、義務化への対応にお悩みの中小企業様向けに、エムスリーヘルスデザインでは小規模事業場でも導入しやすいプランをご用意しています。産業医の選任から実施後の集団分析まで、法令を遵守した体制構築をトータルでバックアップします。ストレスチェックの設計や運用に不安がある企業様でも、スムーズに導入・運用が行えるよう、専門スタッフが伴走支援いたします。「職場のストレスチェック+plus」で、効率的かつ効果的に職場のメンタルヘルス対策を進めていきましょう。ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードする社員の心を支え、組織を強くする —— エムスリーヘルスデザインのEAP現代の職場では、メンタルヘルス不調が生産性の低下や人材流出の主要因となっています。個人のメンタルヘルスケアを強化するには、専門家によるサポートが不可欠です。弊社の「EAPサービス(従業員支援プログラム)」では、心理士によるカウンセリングや、休職・復職支援をワンストップで提供しています。創業30年以上の実績を持つエムスリーグループとして、質の高いメンタルヘルス対策をサポートします。エムスリーヘルスデザインのEAPは、専門家によるカウンセリングと人事・産業医との連携を通じて、従業員の不安やストレスに早期対応し、職場全体のパフォーマンス向上を目指すサービスです。エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードする主なサービス内容専門家によるカウンセリング:公認心理師などによる専門的サポート人事・産業医との連携体制:個別対応だけでなく、職場全体の改善を支援ストレスチェックとの連動:制度導入後のフォローアップまでトータル支援EAP導入による効果企業にとって最大の資産は「人」です。EAPを導入することで、以下のような効果が期待できます。離職率の低下生産性の向上企業ブランドの信頼性向上従業員の心の健康を守ることは、企業の成長を守ることでもあります。エムスリーヘルスデザインのEAPを通じて、健康経営の第一歩を踏み出してみませんか。エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードする