夜勤労働者は年に2回健康診断を受ける必要があります。なぜなら、労働者は深夜に働くことによって生活リズムが乱れてしまい、健康リスクがあるからです。また事業者は、労働者 に健康診断を受けさせなければ処罰の対象となる点に注意が必要です。そこで本記事では、夜勤労働者の健康診断について詳しく解説します。年2回の健康診断を受ける労働者の基準や実施項目、スケジュール管理のポイントについて紹介しますので、ぜひご覧ください。「健康診断事後措置で抑えるポイント」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します健康診断とは事業者は労働者の健康を維持するために、健康診断を実施する義務があります。特に夜勤労働者に行われる健康診断は、特定業務従事者の健康診断の対象となります。健康診断の受診は労働安全衛生法第66条に定められており、事業者労働者に健康診断を受診させなければいけません。健康診断には様々な種類がありますが、実施しないと罰則の対象となるため注意しましょう。夜勤労働者に必要な健康診断夜勤労働者は深夜を含む業務にあたり、特定業務従事者の健康診断が必要です。特定業務従事者の健康診断の対象は、以下のような業務を行う労働者です。・多量の高熱物体を取り扱いや著しく暑熱な場所における業務・多量の低温物体を取り扱いや著しく寒冷な場所における業務・ラジウム放射線やエックス線などの有害放射線にさらされる業務・土石、獣毛等のじんあいや粉末を著しく飛散する場所における業務・異常気圧下における業務・身体に著しい振動を与える業務・重量物の取り扱い等重激な業務・強烈な騒音を発する場所における業務・坑内における業務・深夜業を含む業務・水銀やひ素などの有害物を取り扱う業務・鉛や水銀などの有害物のガスや蒸気、粉じんを発散する場所における業務・病原体による汚染のおそれが著しい業務・その他厚生労働大臣が定める業務夜勤労働者の健康診断は配置替えの時のほか、6ヶ月以内ごとに1回受ける必要があります。「健診業務の負担を減らすには?DXツールの成功事例」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します夜勤労働者の健康診断を怠ったときの罰則夜勤労働者の健康診断を怠ってしまうと、労働安全衛生法の違反となってしまい、事業者は500,000円の罰金が科せられる可能性があります。労働者についても、健康診断を受ける義務が課されています。また常時50人以上の労働者を保有する事業者「特定業務従事者の健康診断」の結果を所轄労働基準監督署に提出する義務がある点も合わせて確認しておきましょう。夜勤労働者の健康診断の費用は企業負担夜勤労働者の健康診断の費用は事業者が負担するため、夜勤労働者は無料で健康診断を受けることができます。事業者は健康診断を受けさせることが義務ですので、費用を払う必要があります。ただし、夜勤労働者が健康診断で法定外項目の検査を希望する場合は、その分の費用を労働者の負担にすることが可能です。また、健康診断を受けている間の賃金は、事業者が払うことが望ましいとされていることに注意しましょう。「健康診断事後措置で抑えるポイント」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します夜勤労働者の健康診断実施後に事業者が行うこと夜勤労働者の健康診断実施後は、事業者は主に以下の業務を行わなければなりません。・健康診断の結果の記録と保存・健康診断の結果についての医師等からの意見聴取・健康診断実施後の措置・健康診断の結果の労働者への通知・健康診断の結果に基づく保健指導・健康診断の結果の所轄労働基準監署長への報告また健康診断結果は一定期間保存しておきましょう。さらに健康上の問題が認められた夜勤労働者には、労働時間の短縮や労働時間の変更などの措置を取る必要があります。夜勤労働者の対象者夜勤労働者は特定業務従事者の深夜業を含む業務にあたりますので、年に2回健康診断を受けることが必要です。深夜業とは、午後10時から午前5時までの間の業務を指します。この時間の一部でも労働を行っていれば、深夜業を行ったとカウントする必要があります。そのため勤怠管理システムなどを利用して、労働者が深夜業を行っているのか勤務時間を確認しましょう。また特定業務従事者の健康診断は、週に1回以上または1ヶ月あたり4回以上深夜業を行っている方が対象です。 正社員だけでなく、パートやアルバイトでも対象となる点に注意してください。「健診業務の負担を減らすには?DXツールの成功事例」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します夜勤労働者で健康診断の対象者の判断方法夜勤労働者で健康診断の対象者はわかりづらく、判断に迷うことがあります。そこで、以下の場合を例として判断方法をお伝えします。・1日1時間の深夜労働の場合・深夜時間帯におよぶ頻度が少ない場合・年の途中に夜勤労働者になった場合それぞれ詳しく解説します。1日1時間の深夜労働の場合午後10時から午前5時までの間に1時間でも労働していれば深夜労働を行ったことになります。また週に1回以上または1ヶ月あたり4回以上勤務していれば、深夜労働が1日1時間でも夜勤労働者の健康診断の対象です。深夜時間帯におよぶ頻度が少ない場合夜勤労働者の健康診断の対象は、週に1回以上または1ヶ月あたり4回以上勤務している方です。そのため、1ヶ月に1・2回など頻度が少ない場合は、特定業務従事者の健康診断の対象者にはなりません。年の途中に夜勤労働者になった場合常時夜勤労働者として勤務する場合は、夜勤労働者の健康診断を受ける必要があります。労働安全衛生法に夜勤労働への配置替えを行った際、及び、6ヶ月に1回の健康診断が必要と定められています。そのため、夜勤労働者になった時点で1回健康診受けて、その後も6ヶ月に1度健康診断を受けることが必要です。夜勤労働者の健康診断の実施項目夜勤労働者の健康診断の実施項目の一覧は、以下のとおりです。・既往歴及び業務歴の調査・自覚症状及び他覚症状の有無の検査・体重、視力及び聴力の検査・血圧の測定・尿検査(尿中の糖及び蛋白の有無の検査)・身長、腹囲の検査・胸部エックス線検査・喀痰検査・貧血検査(血色素量及び赤血球数)・肝機能検査(GOT、GPT、γVーGTP)・血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、血清トリグリセライド)・血糖検査・心電図検査このうち定期的な健康診断では、上記の「身長、腹囲の検査」以下の項目は医師が判断により必要がないときは省略できます。年齢を理由として省略できる場合もありますが、必ず医師が総合的に判断する必要があります。また雇入れ時には喀痰検査以外は省略をせず、すべての項目の検査を行う必要がある点に注意してください。「健康診断事後措置で抑えるポイント」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します夜勤労働者に健康診断を実施しないリスク夜勤労働者に健康診断を実施しなかったときは、以下のようなリスクがあります。・体調が悪化するリスク・生産性低下や業務上ミス増加のリスク健康診断を受けることは病気の早期発見や健康リスクの減少、職場の健康環境の改善につながるため、必ず実施しましょう。それぞれ詳しく解説します。体調が悪化するリスク夜勤労働者は通常と比べて、食事時間や睡眠時間などの生活リズムが不規則となってしまいます。そのため、以下のようなリスクがあります。・疲労の蓄積・睡眠障害・胃腸障害(胃潰瘍、食欲不振など)・循環器疾患・メタボリックシンドローム・糖尿病・女性特有の健康問題(生理周期への影響)・一部のがんへの影響(前立腺がん、乳がん)寝不足や不規則な食生活は健康状態を損なう可能性が高いです。そのため、健康診断を必ず受け、病気の早期発見や病気を未然に防ぎましょう。生産性低下や業務上ミス増加のリスク夜勤労働者は通常と比べて、生活リズムが乱れているので疲れやすいです。そのため、集中力が低下しやすく、生産性の低下や業務上のミスにつながる可能性があります。また夜勤と日勤の両方行っている労働者は、睡眠障害や疲労の蓄積が発生しやすくなってしまいます。そのため健康診断を定期的に行い、体調を確認しましょう。仕事でのミスをあらかじめ防ぐためにも、夜勤労働者は必ず健康診断を受診することが重要です。夜勤労働者の健康診断における注意点夜勤労働者の健康診断における注意点は、以下の5つがあります。・シフトの適切な管理・時間外労働の上限規制に注意・自発的健康診断への対応・健康診断実施対象の夜勤労働者の把握それぞれ詳しく解説します。「健診業務の負担を減らすには?DXツールの成功事例」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移しますシフトの適切な管理夜勤労働者が健康診断を問題なく行うには、シフト管理にも注意しましょう。夜勤のシフト形態には、夜勤だけの夜勤専属と、日勤や夜勤を組み合わせる二交替制・三交替制があります。シフトを組む際は法律違反となるような連続勤務を避けるだけでなく、労働者の健康を守らなければいけません。夜勤が同じ労働者に偏れば健康リスクが高くなるため、法律違反しないことだけを考えるのではなく、労働者の健康状態も考えてシフトを確認しましょう。時間外労働の上限に注意そもそも夜勤をしているのに残業も多くなれば、さらに健康リスクが高くなります。時間外労働は、原則月45時間・年360時間以上は特別な事情がない限り禁止されています。特に夜勤が多い労働者は、残業時間に気を配りましょう。夜勤では、以下のような場合に残業となるケースがあります。・日勤時間に研修がある・夜勤中にトラブルがあり、日勤の労働者と交代するときに引き継ぎに時間がかかる・人手不足自発的健康診断への対応自発的健康診断とは、労働安全衛生法に定められており、深夜業を行う労働者が自ら受けるた健康診断です。6ヶ月を平均して1ヶ月あたり4回以上勤務している夜勤労働者が対象で、健康に不安がある方が自発的健康診断を受けることができます。また費用には助成金制度が設けられているため、一部負担してもらうことも可能です。労働者は検査後に事業者に検査結果を提出することができます。事業者は検査結果を受けて、事後措置を講じる必要があります。健康診断実施対象の夜勤労働者の把握一般の健康診断は全員対象です。しかし、特定業務従事者対象の健康診断を受ける必要がある夜勤労働者は、一人ひとり労働時間を確認しなければいけません。労働日数や労働時間を管理して、対象者を把握しましょう。勤怠管理システムを用いれば、健康診断の管理がより簡単になるでしょう。夜勤労働者の健康診断で異常が認められたときの対応事例夜勤労働者の健康診断で所見が認められたときにはどのような事後措置をとったらよいのでしょうか。まずは所見があった労働者に関して、医師から通常勤務でよいか、就業制限や休業をする必要があるかについて意見を聴きます。意見を聴いた上で、必要があれば深夜業の回数の減少、昼間勤務への転換等の措置を講じます。一方、労働者の健康状態は個別性が高く、個別に判断することが重要です。所見や治療中の疾患があっても、一律には判断できず、その程度や治療状況を労働者ごとに考慮したうえで夜勤の継続が適切か判断する必要があります。いずれにしても、就労の判断について、産業医や医師の意見を聴けるようにしておくとよいでしょう。「健康診断事後措置で抑えるポイント」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します健康診断スケジュール管理のポイント健康診断は、労働者の数が多ければ管理が煩雑になります。健康診断の種類は多く、夜勤を行う場合や特定の有害物を取り扱う場合は、1年に1度の健康診断だけでなく年に2回の健康診断も必要です。その際、全労働者が年に2回の健康診断の対象ではないため、一人ひとりのシフト管理や仕事内容の把握が必要となります。労働者に健康診断を受診させなければ罰則となるため、管理は厳重に行わなければなりません。そこで健康診断の管理には、オンラインツールの健康管理システムの使用がおすすめです。健康管理システムとは、労働者の健康状況を一元で確認できるシステムです。健康診断の受診情報や受信結果を確認できるだけでなく、勤怠管理システムとの連携により、年に2回の健康診断が必要となる夜勤労働者の把握も可能です。その中でも、エムスリーヘルスデザイン株式会社が提供するハピネスパートナーズがおすすめです。クラウド型の健康管理システムによって、労働者の健康を一元的に管理します。健康管理システム「ハピネスパートナーズ」資料をダウンロードするまたAIの活用による健康課題の分析を行い、最適な解決策やアクションプランを提案します。そのため、健康管理の自動化が可能な健康管理システムとえいます。健康診断の管理をきちんと行わなければ、労働者の健康に関するリスクがあるだけでなく、事業者が処罰の対象となってしまいます。そのため人数が多く健康診断の管理が煩雑な事業者は、健康管理システムを導入してスムーズに健康診断を行いましょう。まとめ|夜勤労働者は年2回の健康診断を行いリスクを回避しましょう夜勤労働者は、生活リズムが乱れやすく健康リスクがあります。そのため、年に2回の健康診断を行うことで健康スクを回避しましょう。また、健康診断を受診しなければならないのは、週に1回または1ヶ月あたり4回以上勤務している方ですので、注意してください。健康診断を実施しなかった際は、事業者は罰則を受けてしまいます。また健康診断後には、事業者は健康診断の結果報告などを行う必要があります。健康診断の管理が煩雑な場合は、労働者の健康データを一元化できる健康管理システムのサービスの利用がおすすめですので、ぜひご利用ください。「健康診断事後措置で抑えるポイント」資料をダウンロードする※エムスリーグループのサイト(go100.jp)へ遷移します