特殊健康診断の中の1つであるじん肺健診 をご存知でしょうか?事業所は特定の業務に従事する労働者にじん肺健診を受診させる義務があります。もし受診させなければ、事業所は罰金を科されてしまう可能性もあります。
本記事では、じん肺健診について詳しく解説します。じん肺健診の対象者や検査項目、実施頻度などを詳しく説明しますので、参考にしてください。
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特殊健康診断のじん肺健診とは
そもそもじん肺とは、無機物や鉱物性の粉じんを長期間吸い込んだ結果、肺が反応して病的変化 を起こす病気を指します。症状としては、肺に弾力性がなくなり硬くなってしまうため、徐々に呼吸がしづらくなっていきます。
治療しないまま放置してしまうと、じん肺が悪くなるだけでなく、以下の病気を発症してしまうこともあります。
肺結核
結核性胸膜炎
続発性気管支炎
続発性気管支拡張症
続発性気胸
原発性肺がん
そこで、粉じん作業に従事する労働者は、定期的にじん肺健診の受診が必要です。
じん肺やその他の合併症にかかるリスクを下げるためにも、対象の労働者は必ず受診しましょう。
じん肺健診を受ける業務の対象者
じん肺健診を受診する対象業務は、以下の通りです。
土石や岩石、鉱物の掘削作業
ずい道内での鉱物掘削作業
鉱物の積みおろし作業
坑内での鉱物破砕やふるい分け作業
坑内での鉱物運搬作業
鉱物の充填作業
コンクリートの吹き付け作業
粉じんが付着した機械や電気設備の点検作業
岩石や鉱物の裁断や仕上げ作業
研磨材の使用による研磨作業
鉱物や炭素原料の破砕作業
セメントや粉状鉱石の袋詰め作業
実施頻度
じん肺健診の実施頻度は、以下の場合によって変わります。
就業時
定期的
定期外
離職時
それぞれ詳しく説明します。
就業時
新しく粉じん作業に常時従事する予定の労働者は、就業時にじん肺健診を実施します。ただし、以下の場合は実施する必要はありません。
常時粉じん作業を行う職業に就いたことがない場合
1年以内のじん肺健診で、所見がないと診断された場合
1年以内のじん肺健診で、じん肺管理区分2または管理3イだった場合
6ヶ月以内のじん肺健診で、じん肺管理区分3口だった場合
事業所が労働者を新たに粉じん作業に従事させる場合は、じん肺健診を行うべきか確認しましょう。
定期的
定期的に、じん肺健診を受診すべき労働者は、以下の2パターンがあります。
常時粉じん作業に従事する場合
常時粉じん作業に従事したことがあり、現在は粉じん作業以外の作業に常時従事している場合
常時粉じん作業に従事する場合は、管理区分1のときは3年以内ごとに1回、管理区分2または3のときは1年以内ごとに1回じん肺健診を受診します。常時粉じん作業に従事したことがあり、現在は粉じん作業以外の作業に常時従事する労働者は、管理区分2のときは3年以内ごとに1回、管理区分3のときは1年以内ごとに1回受診が必要です。
定期外
定期外でじん肺健診を受けるべき労働者は、以下の2パターンがあります。
常時粉じん作業に従事し、一般健康診断または特殊健康診断においてじん肺の所見ありまたはその疑いがある労働者で、管理区分1または管理区分未決定の場合
合併症により1年を超えて療養または休業しており、その後医師により療養の休業が不要と診断された場合
これらはすべて遅延なく行う必要があります。
離職時
離職時にじん肺健診を受けるべき労働者は、以下の2パターンがあります。
1年以上常時粉じん作業に継続して従事しており、管理区分1かつ前回じん肺健診からの経過期間が1年6ヶ月以上、または、管理区分2または3かつ前回じん肺健診からの経過期間が6ヶ月以上の場合
常時粉じん作業に従事したことがあり、現在粉じん作業以外の作業に1年以上継続して常時従事しており、管理区分2または3かつ前回のじん肺健診からの経過期間が6ヶ月以上の場合
過去に粉じん作業に常時従事し、現在は粉じん作業から離れている方で、管理区分2または3かつ前回のじん肺健診から6か月以上経過している場合
じん肺健診の検査項目
じん肺健診の検査項目は、以下の通りです。
粉じん作業の職歴の調査
胸部エックス線直接撮影
胸部臨床検査
肺機能検査
結核精密検査
その他合併症に関する検査
これらの検査項目をすべて行う必要はなく、所見の有無により受けるべき検査項目が変わります。
粉じん作業の職歴の調査および胸部エックス線直接撮影にて所見がある場合は、 胸部臨床検査を行います。その後、合併症の有無や胸部X線画像の陰影状況により肺機能検査、結核精密検査、その他合併症に関する検査の受診が必要になります。
検査結果によって、治療や休養の必要があるかどうかを判断します。
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じん肺健診の管理区分決定
じん肺健診にて肺機能検査後、じん肺健診の管理区分決定を行います。それでは管理区分とは一体何なのでしょうか?
管理区分の種類
管理区分の決定者
管理区分の決定申請の手続き
管理区分と結果の関係と事業所が講ずべき措置
それぞれ詳しく説明します。
管理区分の種類
管理区分の種類は、以下の5段階に分かれています。
管理1
管理2
管理3イ
管理3口
管理4
管理1はじん肺の所見がなく、管理2以上はじん肺の所見があります。また数字が大きくなるほど、じん肺 が進行しています。
管理区分の決定者
じん肺健診の管理区分の決定者は、都道府県の労働局長です。提出されたじん肺健診の結果やじん肺診査医との相談により決定します。
また労働者は在職の有無にかかわらず、いつでも管理区分の決定を申請することができ、その場合は労働者自らがじん肺健康診断を受けなければいけません。
管理区分の決定申請の手続き
管理区分の決定申請の手続きには、以下の書類を労働局健康安全課へ提出する必要があります。
エックス線写真等の提出書
じん肺管理区分決定申請書
じん肺健康診断結果証明書
撮像表示条件確認表
必要書類を提出したら、管理区分を決定してもらいましょう。
管理区分と結果の関係と事業所が講ずべき措置
管理区分と結果には以下のような関係があります。
管理1のときは、就業上の特別な措置なし
管理2のときは、粉じん曝露低減措置
管理3イのときは、粉じん曝露の低減措置、または、作業転換の努力義務(推奨)
管理3口のときは、作業転換の努力義務(推奨)、または、作業転換の義務(指示)
管理4、または、管理2か3で合併症り患のとき は、療養
管理区分が決定されると、事業所は労働者に通知を行い、必要なら就業場所の変更や勤務時間の短縮、療養などの措置を講じなければいけません。
じん肺健診の検査料金
じん肺健診は安全衛生法で義務付けられているため、検査料金は企業負担となります。また、健康診断時間は勤務扱いとなります。
必須検査のみ受診する場合は、2,000~3,000円前後、全ての検査を受診する場合は2,6000~28,000円前後が相場となっています。
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じん肺健診の管理には健康管理システム「ハピネスパートナーズ」がおすすめ
じん肺の対象者や管理区分の決定は複数の要素が関係して、誰が対象者なのか就業措置はどうなっているかわかりづらいです。健康管理システム「ハピネスパートナーズ」を活用すれば、従業員の健康情報と特殊業務歴や就業措置の情報などを紐づけて管理ができるため、簡単にじん肺健診の対象者の抽出や就業措置の状況が確認できます。煩雑な産業保健業務の効率化を考えている方はぜひ「ハピネスパートナーズ」の導入をご検討ください。
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まとめ
じん肺健診とは、粉じん作業に従事する労働者が受診する健診であり、法令で定められている特殊健康診断の1つです。健診の対象者は主に粉じん作業を行っている方で、現在は離職している方も対象となる場合があります。
実施頻度は、現在離職しているか・働いている状況・健康状態などによって異なります。検査結果から所見に異常が見られた場合は管理区分の決定を行い、健康被害を抑えるためにも事業所は措置を講じましょう。
じん肺は進行してしまうと合併症を起こしやすい病気です 。労働者の健康被害を避けるためにも、事業所は遅延なく、じん肺健診を受診させましょう。
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