健康診断の事後措置の流れを徹底解説!異常所見があった際に企業が取るべき対応の説明 読み込まれました

健康診断

公開日:

2025/02/05

更新日:

2025/11/21

健康診断の事後措置の流れを徹底解説!異常所見があった際に企業が取るべき対応の説明

エムスリーヘルスデザイン編集部(産業医監修)

健康診断の事後措置の流れを徹底解説!異常所見があった際に企業が取るべき対応の説明

企業は労働者に健康診断を受けさせる義務があり、健康診断結果に異常所見があった場合、適切な事後措置を講じる必要があります。事後措置には、就業場所の変更、作業の転換、労働時間の短縮などが含まれます。

適切な事後措置を講じない場合、労働者の健康リスクが高まり、企業の経営に影響を及ぼす可能性があります。また、事後措置を行う際に労働者への不利益な扱いは禁止されており、注意が必要です。

本記事では、健康診断の事後措置の流れや措置の内容を詳しく解説し、企業にとって重要なポイントを紹介します。

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一般健康診断の事後措置とは

一般健康診断の事後措置とは、健康診断の結果に異常所見が認められた際に行う対応のことです。事後措置は労働者の健康状態や業務内容によって異なり、以下のような対応が求められます。

  • 就業場所の変更

  • 作業の転換

  • 労働時間の短縮

  • 深夜業の頻度の減少

  • 施設・設備の設置や整備

事後措置を行うことで、労働者は健康リスクを軽減し、早期治療につながります。一方で、企業は従業員の健康管理を行うことで組織の活性化、生産性や業績の向上、健康経営の推進が期待できます。健康診断の事後措置は、労働者だけでなく企業にとっても重要な取り組みです。適切に実施しましょう。

一般健康診断の実施と事後措置の流れ、および企業の義務

一般健康診断の実施および事後措置は「労働安全衛生法第66条」により義務付けられています。そのため、企業は労働者に健康診断を受診させる義務があります。

事後措置の流れは以下の通りです。

  1.  一般健康診断の実施

  2. 健康診断結果の受領

  3. 健康診断結果の労働者への通知

  4. 医師・産業医の意見聴取

  5. 就業措置の決定・実施

それぞれについて詳しく解説します。

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1. 一般健康診断の実施

企業は、常時雇用している労働者だけでなく、一定の条件を満たすアルバイトやパートも対象となり、年1回の一般健康診断を受診させる義務があります。

一般健康診断の検査項目は以下の通りです。

  • 既往歴・業務歴の調査

  • 自覚症状・他覚症状の有無

  • 身長・体重・腹囲・視力・聴力測定

  • 胸部エックス線検査

  • 喀痰検査

  • 血圧測定

  • 血液検査(貧血・肝機能・脂質・血糖値など)

  • 尿検査

  • 心電図検査

必要な項目は、労働者の年齢や健康状態により異なります。医師の判断を仰ぎ、労働者にとって適切な項目を選定しましょう。

企業の義務

企業には、労働者に健康診断を受診させる義務があります(労働安全衛生法66条・労働安全衛生規則44条)。

健康管理システムを用いると、健康診断の予約、未受診の労働者へのリマインド、労働者の健康診断状況の確認などの機能により、健康診断の管理を手軽にサポートできます。業務負担の軽減を図るために、健康管理システムの導入を検討しましょう。

2. 健康診断結果の受領

健康診断結果を受領した後は、異常所見の有無を確認しましょう。検査結果に要観察や要医療などの記載がある場合や医師の診断により就業上の配慮が必要と判断された場合は異常所見があると判断できます。

異常所見があった場合、企業は労働者の健康状態を考慮し、適切な対応を検討する必要があります。(労働安全衛生法66条)

具体的には、保健指導の実施や医療機関での受診勧奨などが挙げられます。

企業の義務

企業は、労働者の健康診断結果を記録した「健康診断個人票」を作成し、5年間保管する義務があります。(労働安全衛生法第66条の3・労働安全衛生規則第51条)この記録は、次回の健康診断の参考となるだけではなく、企業の法的義務でもあります。

保存媒体は、紙だけでなく電子媒体でも構いません。健康管理システムでは、健康診断結果をデータとして保存できます。さらに、これまで利用していた紙媒体の健康診断結果をデータに移行できるサービスを提供しているシステムもあります。

3.健康診断結果の労働者への通知

健康診断結果を受領した後は、企業はすべての労働者に通知しなければなりません(労働安全衛生法66条の6)。異常所見の有無に関わらず、すべての労働者に通知してください。

労働者は健康診断結果を確認し、自分の健康状態を把握することで自ら健康被害にあわないように対策しましょう。

企業の義務

企業はすべての労働者への健康診断結果の通知が必要です(労働安全衛生法第66条の6)。企業は、医療機関から健康診断結果を受領した後、速やかに労働者に通知する義務があります。

4.医師・産業医の意見聴取

健康診断結果に異常所見がある場合、企業は医師や産業医などの意見を聴取し、適切な措置を講じる必要があります。従業員50人未満の企業には産業医の選任義務はありませんが、医師や地域産業保健センターなどを活用してください。

健康診断結果をもとに、就業の措置の必要性を医師に判断してもらいましょう。状況に応じて、医師へ労働者の労働環境や労働時間などを提供する必要があります。さらに産業医の選任義務がある従業員50人以上の企業は、職場の確認も必要です。

企業の義務

健康診断結果に異常所見があった場合、企業は3ヶ月以内に医師や産業医の意見を聴取する義務があります(労働安全衛生法第66条の4・労働安全衛生規則第51条の2)。

5.就業措置の決定・実施

就業措置には、通常業務・就業制限・要休業の3つの判定区分があります。

医師・産業医の意見聴取から、就業制限や休業の必要があると判断された際は、就業措置の決定を行いましょう。

また就業判定の際には過去の健康診断結果を考慮する場合もあるため、適切に保管しておきましょう。

企業の義務

常時50人以上の労働者がいる企業は、定期健康診断の結果を所轄労働基準監督署へ報告する義務があります(労働安全衛生規則第52条)。

この報告書はインターネットでの作成、及び、提出が可能です。

健康管理システムでは、労働基準監督署への報告書を作成できるものもあります。健康診断の管理がより簡単になるため、健康管理システムを使用してみてはいかがでしょうか。

異常の所見があった際の就業上の措置の内容と禁止行為

異常所見が認められた場合は、医師や産業医の意見を踏まえ、労働者の作業環境や労働時間なども考慮した上で、適切な就業判定を行うことが求められます。

就業判定は、以下の3つの就業区分に分類されます。

  • 通常勤務:特別な措置は不要

  • 就業制限:業務の軽減や変更が必要

  • 要休業:一定期間の休業が必要。

それぞれの就業区分について詳しく説明します。

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通常勤務の場合

通常勤務と判定された場合は、特別な就業措置は必要ありません。ただし、必要に応じてストレスチェックの実施や保健師による保健指導を行い、労働者の健康管理をサポートしましょう。

また、健康診断結果や医師・産業医の意見聴取の記録は必ず保存し、適切に管理してください。

就業制限の場合

就業制限と判定された場合は、労働者の健康状態を考慮し、勤務負担を軽減するための措置を講じる必要があります。

主な就業制限の類型は、以下の3つです。

◎類型1:健康状態の悪化を防ぐための制限

  • 対象:持病の悪化が懸念される労働者(例:心不全や腎不全を有する労働者の重筋作業)

  • 措置例:重筋作業の禁止・軽減、休憩時間の増加、勤務時間の短縮

◎類型2:業務上の安全確保のための制限

  • 対象:健康状態が原因で事故・災害のリスクがある労働者(例:不整脈や脳疾患を持つ労働者)

  • 措置例:高所作業の禁止・転換、安全装置の使用、同僚との連携強化

◎類型3:適切な健康管理を促すための制限

  • 対象:生活習慣病のリスクが高く、現在の勤務状況が受診や健康管理を妨げている労働者(例:高血圧や高血糖を持つ労働者)

  • 措置例:夜勤の禁止・転換、勤務時間の調整、メンタルヘルスケアなど

措置内容を決定する前は、労働者と話し合い理解を得ることが重要です。

また、就業制限は労働者の健康状態に応じて緩和や解除を行うことが望ましいため、解除前には、医師や産業医と相談しましょう。

要休業の場合

要休業と判定された場合は、労働者の健康回復を目的として、休暇や休職などの措置を講じる必要があります。

休業措置の実施前には労働者と話し合い、理解を得ることが重要です。

また、職場の管理者・上司にも適切な説明を行い、サポート体制を整えましょう。

措置の禁止行為

措置は、労働者の健康確保を目的としているため、不利益な取扱いは禁止されています。

  • 不当な解雇(労働基準法第19条、労働契約法第16条)

  • 契約更新の拒否(有期雇用労働者への不当な対応)

  • 不当な配置転換や職位の変更(不利益な異動・降格など)

  • 医師・産業医の意見を無視した措置の実施

  • 法令に基づかない就業制限や休業措置の強要

これらの行為は、労働契約法や労働基準法に違反する可能性があります。

企業は措置を実施する前に、労働者と十分に協議し、理解を得ることが重要です。

まとめ

健康診断の事後措置は、労働者の健康を守るために企業が果たすべき重要な義務です。適切な対応を行うことで、労働者の健康リスクを低減し企業の健康経営の実現にもつながります。労働者の健康診断受診後は、健康診断結果の確認や労働者への通知、医師・産業医への意見聴取、就業措置の決定を行いましょう。

また、事後措置には就業場所の変更や作業の転換、労働時間の短縮などがあります。措置を行う前に必ず労働者と協議を行い理解を得た上で、労働者が不利益を被らないよう注意しましょう。

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健康診断の事後措置に役立つサービスとして、以下のような機能が挙げられます。

  • 健康診断の進捗管理

  • 健康診断結果や保健指導の面談記録

  • 二次受診検査の依頼

  • 産業医の指示や就業上の措置の把握

  • 労働基準監督署への報告書の作成

煩雑な健康診断の管理や事後措置を簡単に行えるため、ぜひご利用ください。

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