ストレスチェックとはストレスチェック制度の背景厚生労働省が令和5年に発表した「労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事や働き方の中で強い不安や悩み、ストレスを感じている人は、労働者全体の約8割にものぼることが分かっています。ストレスをため込み続けると、心の不調やうつなどの精神的な問題につながり、休職や退職を余儀なくされるケースもあります。さらに、ストレスによる集中力の低下は、仕事の効率を下げるだけでなく、職種によっては思わぬ労働災害や大きな事故につながる危険もあるのです。こうした問題を未然に防止するため、2015年12月1日より「ストレスチェック制度」が開始されました。ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードするエムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードする出典:厚生労働省「令和5年労働安全衛生調査(実態調査)」個人調査 結果の概要https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/dl/r05-46-50_kekka-gaiyo02.pdfストレスチェックのメリットストレスチェックとは、事業場が準備したストレスに関する質問票に従業員が回答し、その結果を通じて従業員一人ひとりのストレスの状況を把握する仕組みです。定期的に行うことで、次のような効果が期待できます。本人が自らのストレス状態に気づき、心の不調を予防できる部署や職場単位での集計結果を活用することで、職場環境の改善に役立つこのように、ストレスチェックは従業員のメンタルヘルスを守るだけでなく、組織全体の職場環境を健全に整えるための重要な施策といえます。さらに、この制度の導入は、働く人々の心の健康を守り、安全で安心できる職場づくりを進めるための国の施策の一環でもあります。個人レベルでの状況把握にとどまらず、職場全体のストレス状況を可視化し改善へつなげることにより、労働環境の健全化や組織の生産性向上にも寄与すると期待されています。ストレスチェックは2028年までに全事務所で義務化へストレスチェックは、従業員が50人以上いる事業所では、労働安全衛生法によって実施が義務付けられてきました。さらに、2025年5月に行われた労働安全衛生法および作業環境測定法の改正により、2028年までに企業規模を問わず、すべての事業場でストレスチェックの実施が義務化されることが決まりました。そのため、これまで努力義務とされていた従業員50人未満の事業所も、今後は実施体制を整える必要があります。ストレスチェックは、その結果を労働基準監督署へ報告する義務があり、報告を怠ると法律により罰則が課せられます。関連記事:【小規模事業所向け】ストレスチェック導入ガイド|義務化への手順・助成金・外部委託参考:厚生労働省「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)の概要」https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001497667.pdfストレスチェックを行わなかった場合の罰則ストレスチェックを実施しなかったからといって、直接の罰則はありません。しかし、未実施の状態は安全配慮義務違反とみなされる可能性があります。事業者には、労働者一人ひとりの安全と健康を守るために配慮する責任があり、これは労働契約法第5条で定められています。安全配慮義務といいます。ストレスチェックを怠ることは、この義務に反するおそれがあるのです。さらに、ストレスチェックを実施した後は、労働基準監督署へ結果を報告する義務があります。この報告をしなかった場合には、労働安全衛生法に基づき罰則の対象となります。ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードする参考:厚生労働省「労働安全衛生法 第100条(報告等)」https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/000566011.pdfストレスチェックの実施手順ストレスチェックは、原則として「1年に1回以上、すべての労働者に実施する」ことが必要です。以下の手順に沿って進めていきましょう。関連記事:ストレスチェック導入マニュアル|準備から実施までの全手順を解説1.導入前の準備1-1.方針を示すまずは「従業員のメンタル不調を防ぐために、ストレスチェックを行う」という会社としての方針をはっきりと示します。1-2.実施方法を決める次に、事業所の衛生委員会で実施の方法を話し合います。衛生委員会とは、労働者が50人以上いる事業所で設置が義務づけられている組織です。話し合いでは、以下の内容を決定し、社内規程としてまとめ、従業員に周知します。実施者は誰にするか実施時期使用する質問票の内容高ストレス者の判定基準面接指導を依頼する医師の決定集団分析の方法結果の保管方法や保存場所1-3.役割分担を決めるストレスチェックに必要な役割を明確にします。制度全体の担当者:計画の作成や進捗管理を行います。実施者:医師、保健師、公認心理師などが担当。外部委託も可能です。実施事務従事者:質問票の回収やデータ入力、結果送付などを担当。ただし人事担当者は不可。面接指導を行う医師:メンタルヘルスの知識や経験がある医師。産業医がいる場合は産業医が望ましいとされています。これで準備は完了です。エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードする2.ストレスチェックの実施2-1.質問票の記入労働者に質問票を配布し、回答してもらいます。質問内容には、ストレスの原因心身の自覚症状周囲のサポート状況が含まれていればオリジナル作成も可能です。国が推奨する57項目の質問票を利用しても構いません。紙だけでなくオンライン実施も可能で、厚生労働省が無料で提供するプログラムも利用できます。2-2.質問票の回収質問票は実施者または実施事務従事者が回収します。人事権を持つ社員が内容を見ることはできません。封筒に入れて提出するなど、プライバシー保護が必要です。2-3.ストレス度合いの評価回答をもとに実施者が評価し、高ストレスと判断された労働者を抽出します。2-4.結果の通知結果は実施者から直接本人に通知されます。会社が結果を参照するには、本人の同意が必要です。2-5.結果の保存実施者または実施事務従事者が、鍵付きの保管やパスワード管理などで厳重に保存します。ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードする3.面接指導と就業上の対応3-1.面接の依頼高ストレスと判定された労働者が申出をした場合、医師による面接指導を行います。申出は結果通知から1か月以内に、面接は申出から1か月以内に実施します。3-2.医師の意見を聴く面接指導を担当した医師から、就業上の対応が必要かどうかを聞き取り、必要に応じて労働時間の短縮などの措置を行います。3-3.記録の保存面接結果は5年間保存します。記録には以下を含めましょう:実施日労働者氏名面接医師氏名勤務状況やストレス状況医師の意見と就業上の措置4.職場分析と環境改善(努力義務)4-1.集計・分析結果を部署やグループ単位(10人以上)で集計し、分析してもらいます。10人未満の場合は全員の同意が必要です。4-2.改善の取り組み分析結果をもとに職場環境を見直し、改善を進めます。毎年のストレスチェックを繰り返すことで、環境の変化や改善点を確認できます。エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードする参考:厚生労働省「ストレスチェック制度簡単導入マニュアル」https://www.mhlw.go.jp/content/000533965.pdfストレスチェックを拒否されたときの対応ストレスチェックは、従業員の健康を守るために設けられた制度です。事業者には実施の義務がありますが、従業員一人ひとりには受けない自由も認められています。そのため、受検を強制することはできません。また、ストレスチェックを受けなかったことを理由に、昇進・配置・評価などで不利益な扱いをすることは禁止されています。参考:厚生労働省「心理的な負担の程度を把握するための検査及び面接指導の実施並びに面接指導結果に基づき事業者が講ずべき措置に関する指針」https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001331248.pdfストレスチェックにかかる費用ストレスチェックの実施には費用が発生します。そして、その費用は事業者が全額負担することが法律で定められています。ストレスチェックを実際に行う際には、複数の費用が発生します。事前にどの項目にどの程度の予算を充てるかを把握することで、実施後のトラブルや不足を防ぐことができます。主な費用項目は以下のとおりです。関連記事:【2025年最新】ストレスチェックの料金相場は?外注費用と内訳を徹底解説 実施担当者の人件費ストレスチェックの運営を担う社内スタッフの労務費や、外部委託先に支払う人件費です。特に外部に委託する場合は、契約形態や実施規模によって費用が大きく変動します。ストレスチェックの実施費用質問票の印刷・配布、オンラインシステムの利用料、回収・入力作業などにかかる費用です。オンライン実施を選んだ場合はシステム利用料が中心となり、紙媒体の場合は印刷や回収コストが加わります。高ストレス者への産業医面接指導費ストレスチェックの結果、高ストレスと判定された従業員に対しては、産業医による面接指導が必要です。この際の医師への謝礼や、実施時間・回数に応じた費用、さらに交通費などの実費が含まれます。集団分析の費用部署や職場単位ごとに傾向を把握するための集計・分析作業にかかる費用です。個人結果の保護を前提に、集団ごとのストレス状況を「見える化」する工程であり、外部委託を行う場合には別途分析料が発生することもあります。職場改善にかかる費用集団分析の結果を受けて行う、職場環境の改善施策や教育・研修に必要な費用です。例として、コミュニケーション研修、業務改善のコンサルティング、休憩スペースの設置などがあげられます。いかがでしたでしょうか。具体的な費用の目安は、従業員数が少ない小規模事業所の場合で数万円程度、重行人数が多い大規模事業所の場合で数十万円以上にのぼることもあります。最終的な金額は、従業員数、外部業者への委託範囲、契約条件などによって大きく変動します。ストレスチェックの費用は単に「検査の実施」だけでなく、人件費・実施費用・面接指導・分析・改善といった複数の段階で発生します。実施計画を立てる際は、これらを総合的に見積もることが重要です。ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードするストレスチェックを自社で行う場合の費用の目安厚生労働省が公開している 57項目の標準質問票 は、誰でも無料で利用できます。そのため、最小限の形で紙の調査票を配布するだけであれば、直接的な費用はほとんどかかりません。ただし、実際に運用する際には次のような事務作業が発生し、社内スタッフの人件費や作業負担が見過ごせないコストになります。調査票の印刷・配布回収・データ入力・結果の集計個人へのフィードバック(結果通知)また、ストレスチェックの結果「高ストレス」と判定された従業員が希望した場合には、産業医などによる面接指導を受けられる体制を整える必要があります。その際の一般的な費用相場は以下のとおりです。1回あたり:約1万〜5万円程度産業医が担当する場合:1時間あたり 2万〜2万5千円前後こうしたことから、必要な予算は従業員数や運用方法、委託先の条件によって大きく変わってきます。エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードするストレスチェックは外部委託できる? 委託のメリットとデメリットストレスチェックは社内で実施することも可能ですが、外部の専門機関に委託する方法もあります。外部委託には社内負担の軽減といった大きな利点がある一方で、注意すべき点もあります。メリット業務負担の軽減:質問票の作成、集計・分析、面接指導などを専門機関に任せられるため、社内の手間を大きく削減できます。匿名性の向上:第三者による集計で、従業員が安心して回答でき、正直な意見を得やすくなります。専門的な対応:結果分析や改善提案を専門家に依頼でき、医療法人への委託なら産業医や心理士による面接やフォローも可能です。デメリットコストの発生:基本料金や受検単価などの費用が必要。契約範囲や料金体系を事前に確認する必要があります。透明性の低下:実施状況や費用の妥当性が見えにくいため、定期的な報告を受ける仕組みづくりが重要です。柔軟性の不足:自社独自の事情に十分対応できない場合があり、業務理解度の高い委託先を選ぶ必要があります。セキュリティリスク:情報漏えいの可能性があるため、委託先のセキュリティ体制や認証の有無を必ず確認しましょう。以上、メリットとデメリットについてご説明しました。注意点として、外部委託しても、最終的な責任は事業者側にあります。法令違反や情報管理の不備があれば企業が責任を問われます。便利さだけでなく、安全性と信頼性を兼ね備えた委託先を選ぶことが重要です。ストレスチェック検査を活かした職場づくりを制度として義務づけられているストレスチェックですが、どうせ実施するなら会社の改善にもつなげたいですよね。その際に役立つのが、外部に委託できる職場のストレスチェック+plusというサービスと、エムスリーヘルスケアが提供する従業員支援(EAP)サービスです。職場のストレスチェック+plusとは?「職場のストレスチェック+plus」は、従業員の健康を守りながら、同時に職場環境の改善にも取り組みたい企業に適したサービスです。ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードする選ばれるポイント導入コストを抑えられる:初めて導入する企業や、費用対効果を重視する企業におすすめ。リーズナブルな価格設定でスタートできます。システムで一括管理・分析:受検状況の把握や未受検者への通知、組織単位の分析、労基署提出用の報告書作成まで、システム上で完結。手間を大幅に減らせます。専門家によるサポート体制:臨床心理士などによるフォローアップ(オプション)にも対応。実施後も安心のケアが可能です。さらに充実の機能実施形式を選べる:Web・紙・併用に対応設問数を自由に選択:57項目・80項目・カスタマイズ対応多言語対応:英語版(紙のみ)活用しやすい:集団分析や面談申込をシステム上で実施可能スピード導入:最短10営業日から利用開始豊富な実績:年間1,400社以上の導入トータルサポートで安心検査から分析、報告書の作成、さらに専門家によるアフターケアまでワンストップで対応。効率的かつ効果的に、従業員の健康と職場改善をサポートします。ストレスチェックを「義務だからやるもの」で終わらせず、職場改革のチャンスとして活用してみませんか?ストレスチェックサービス「職場のストレスチェック+plus」資料をダウンロードするEAPサービスとは?エムスリーヘルスデザインでは、医療・ヘルスケア分野の知見を活かし、企業向けに包括的なメンタルヘルス支援「EAPサービス」を展開しています。全国対応が可能で、導入後の効果測定から改善策の提案まで、ワンストップでご提供。従業員と組織の両方を支える体制を整えています。エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードするサービス内容専門家によるカウンセリング:公認心理師などの専門職が従業員の悩みに対応。匿名性が確保され、安心して相談できます。人事・産業医との連携:個人への対応にとどまらず、人事部門や産業医と協力し、職場全体の改善につなげます。ストレスチェックとの連動:年1回のストレスチェックから高ストレス者の面談、さらに環境改善の提案まで、一括してサポート可能です。導入メリット離職防止:不調の早期発見・対応で従業員の定着率を向上生産性向上:健康維持により集中力や業務効率を改善法令対応・リスク管理:義務対応だけでなく、訴訟リスクの軽減にも貢献企業ブランド向上:健康経営優良法人の取得を後押し従業員の健康は、企業の成長の基盤です。エムスリーヘルスデザインのEAPサービスは、個人を守り、組織を強くする支えとなります。今こそ健康経営実現に向けて、取り組みを始めてみませんか。エムスリーヘルスデザインの「EAPサービス」資料をダウンロードする