健康経営とは
健康経営とは、「従業員の健康を経営の重要な資源と捉え、戦略的に健康づくりへ取り組むこと」を指します。
日本では今後100年の間に総人口が急速に減少すると見込まれており、労働力人口も縮小していくことが予想されています。こうした状況の中で企業には、従業員一人ひとりの健康を守りながら、生産性を高め、業績を維持・向上させることが求められています。
ストレスや過労、生活習慣病などで社員が健康を損なうと、
欠勤や休職の増加
業務パフォーマンスの低下
離職率の上昇
といった問題が発生し、結果として企業の損失につながります。
そのため、従業員の心身の健康維持に積極的に投資し、健康的に長く働ける環境を整えることが、企業の持続的成長に直結します。
このように「人の健康を企業の力に変える」という発想こそが、健康経営の根幹にある考え方です。
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参考:厚生労働省「将来推計人口(令和5年推計)の概要」
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/001093650.pdf
健康経営を支える政策
健康経営を推し進める政策として、
健康経営優良法人認定制度
健康経営銘柄制度
が存在します。それぞれ順を追って説明します。
健康経営優良法人認定制度
「健康経営優良法人認定制度」は、2016年に経済産業省と日本健康会議の共同で始まった制度です。
地域や業界ごとの健康課題に応じて、従業員の健康づくりに積極的に取り組む優良な法人(企業・団体)を認定します。
認定を受けることには、次のようなメリットがあります。
経済産業省の公式ホームページで公表される
認定ロゴマークを広報資料や求人活動に活用できる
銀行や自治体の支援制度で優遇を受けられる(例:融資金利の優遇)
採用活動において「ホワイト企業」としてのブランド価値が高まる
このように、認定を取得することで「社員の健康を大切にする企業」であることを社会に広くアピールできます。
制度の対象は「大規模法人部門(上場企業・大企業など)」と「中小規模法人部門(中小企業・医療機関など)」に分かれており、認定期間は1年間です。
健康経営銘柄制度
こちらは東京証券取引所と経済産業省が共同で実施している制度です。上場企業の中から「特に健康経営に優れた企業」を選定し、投資家に推奨することを目的としています。
つまり、社員を大切にする企業が長期的に成長する企業である、という評価軸を形成し、「健康経営に取り組むことが企業価値を高める」というメッセージを市場に発信する制度です。
健康経営の年間計画
企業が健康経営を進めるうえで欠かせないのが、「1年間を通じて従業員の健康づくりに取り組むための行動計画」である「健康経営の年間計画」です。
これは、健康施策を場当たり的に行うのではなく、計画的かつ継続的に実施するための指針となります。
また、健康経営優良法人認定制度での認定を目指す場合も、まずは企業として「健康経営宣言」を行い、そのうえで「年間計画」を整えることが最初のステップとされています。
では、この年間計画はどのように立てればよいのでしょうか。
ここでは、健康経営優良法人認定制度の申請も視野に入れながら、健康経営の基本的な年間スケジュールの一例を見ていきましょう。
申請スケジュールの要点と流れ
具体的なスケジュール案は次の通りです。
8月上旬:経済産業省から「健康経営度調査」の公募開始
9月上旬〜10月中旬頃:オンラインで申請・調査票提出(Web入力)
12月〜翌年3月:審査・認定発表(認定証授与、HP公開)
4月〜翌年3月:1年間の認定期間
健康経営優良法人の認定申請は毎年8月から10月に実施され、この期間内に手続きを終えなければ当該年度の認定を受けることはできません。
申請の対象となるのは、前年度に行った健康経営の取り組み内容です。たとえば2024年度の認定を目指す場合、2023年度に実施した施策や健康データの分析結果などを整理し、2024年10月までに申請を完了させる必要があります。
そのため、担当者は年度初めから計画的に準備を進め、8〜10月の申請期間に滞りなく対応できるよう、年間を通じたスケジュール設計を行うことが欠かせません。
申請は毎年実施され、前年の活動内容が評価対象になります。
なお、次年度の予算編成は通常10〜12月に行われるため、健康経営に関する施策の稟議案は、この期間内に社内調整を完了しておくことが理想的です。
たとえば決算月が3月の企業であれば、翌年度の健康経営方針や施策に関する稟議は、遅くとも1月頃までには承認される流れになります。
この時期を過ぎてから調整を始めると、施策に必要な人員体制の確保や、外部委託サービスの契約・発注に伴う予算を確保できず、実施内容が制限されるおそれがあります。
そのため、健康経営の推進担当者は、年内、特に12月中には稟議案の社内調整を完了できるよう、計画的に準備を進めることが重要です。
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健康経営のための取り組みの流れ
申請スケジュールを把握したら、次は実際に企業として健康経営に取り組む流れを見ていきましょう。ここでは、健康経営優良法人の認定取得も視野に入れた一般的なステップを紹介します。
健康経営宣言の策定と社内周知
まずは、「社員の健康を経営の基盤と位置づけ、積極的に健康づくりを推進します」といった方針を明確にし、社員に周知します。社内掲示板への掲示や、ホームページ・社内報での発信などが効果的です。
体制の整備
健康経営を継続的に実践するためには、社内体制の整備が欠かせません。
衛生委員会の設置(常時使用労働者50人未満の場合は任意)
産業医や保健師との契約(外部委託も可)
健康管理担当者の任命
取り組みの実施
年間を通じて以下のような健康経営活動を計画的に行い、実施記録を残します。
健康診断:受診率100%を目指し、再検査やフォローも徹底
生活習慣病予防:健康イベント・運動促進・禁煙対策など
メンタルヘルス対策:ストレスチェックや相談窓口の設置
働き方改革:長時間労働の是正や有給休暇取得の推進
感染症対策:ワクチン接種支援や職場の衛生環境整備
健康経営度調査票(Web入力)の提出
経済産業省の専用サイト「健康経営度調査システム」から、企業規模や取組内容に応じた設問(約60〜80問)に回答します。
必要に応じて、掲示物や報告書などの証拠資料を添付します。
審査・認定
提出内容が審査され、要件を満たした場合には「健康経営優良法人(○○年度)」として認定されます。
認定法人は経済産業省・日本健康会議の公式HPで公表され、認定ロゴマークをパンフレットやWebサイトなどに使用することができます。
以上が取り組みの流れとなります。
健康経営を、もっとスムーズに。
いかがでしたでしょうか。
従業員の健康は、企業の未来を支える大切な資産です。
しかし、「健康経営を始めたいけれど、何から手をつけていいか分からない」「人事部だけでは手が回らない」といった悩みを抱える企業も少なくありません。
そんなときこそ、外部の専門サービスを活用するのが効果的です。
健康経営の専門家によるサポートを受けることで、制度設計から実施・分析・改善までを一貫してスムーズに進められます。
外部サービスを導入すれば、次のようにメリットも多いです。
最新の法令や認定制度に沿った計画づくりができる
社員の健康課題をデータで可視化し、具体的な改善策を立てられる
専門スタッフによる運用支援で、担当者の負担を大幅に軽減できる など
健康経営は「やって終わり」ではなく、「続けて成果を出す」取り組みです。
外部の力を上手に取り入れ、貴社らしい健康経営を着実に実現しましょう。
現状把握から効果検証までトータルサポート――エムスリーヘルスデザインの健康経営コンサル
健康経営を戦略的に推進するためには、自社だけで完結させず、専門的なノウハウを持つ外部サービスを活用することが成果への近道となります。
ここで、おすすめなのがエムスリーヘルスデザインが支援する「健康経営コンサル」です。
データに基づく要因特定と、改善策の提案・実行までを一気通貫で支援
私たちエムスリーヘルスデザインは、1985年の創業以来、ヘルスケア領域に特化して事業を展開してきました。
その蓄積されたノウハウをもとに、企業の現状把握から課題整理、改善計画の策定、施策の実行支援まで、健康経営の全工程をワンストップでサポートします。
まず重要なのは、やみくもに施策を打つのではなく、現状の正確な把握と課題の可視化です。
そのうえで、
要因特定
改善策の提案
施策の実行支援
といったプロセスを一貫して伴走し、企業が目指すべき本質的な健康経営の実現を支えていきます。
私たちが目指すのは、単に制度を整えることではありません。
従業員一人ひとりが自発的に健康行動を選択し、企業文化として健康経営が定着した状態です。
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健康経営度調査に基づいた評価項目設定とPDCAサイクル支援
健康経営は、認定の取得そのものが目的ではありません。企業が本当に目指すべき姿は、従業員全員が主体的に健康について考え、行動できる組織です。
そのために私たちは、経済産業省が実施する「健康経営度調査」の評価項目である、
経営理念・方針
組織体制
制度・施策実行
評価・改善
法令遵守・リスクマネジメント
に基づき、企業の現状と課題を整理し、必要な施策の立案からPDCAの実行支援までを担います。具体的には、
定期的な進捗管理
項目に応じた改善提案
調査回答サポート
効果検証の振り返り
といった実務部分も丁寧に伴走し、企業が迷わずに健康経営を前に進められるよう支えます。「企業として何をすべきか」が明確になり、本来の健康経営に着実に近づいていると実感できる状態へ導きます。
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EBHS Lifeは、数万人規模の健康データ、3000件以上の論文レビューをベースに、健診データなどから個人の将来の健康リスクや寿命を科学的に予測。
さらに、日本人平均との相対比較による健康指標(スコア)を算出し、従業員の健康状態を直感的に把握できるようにします。
これにより、自分の健康状態を客観的に理解できる、健康意識が高まり、行動変容が起きやすくなる、組織全体の健康課題が可視化されるなどの効果が期待できます。
最終的には、全社員が自走できる健康経営体制の実現を目指します。
認定取得では終わらない「真の健康経営」
エムスリーヘルスデザイン株式会社の健康経営コンサルティングは、経済産業省の「健康経営コンサルティング自己宣言ガイドライン」で定められた要件を満たしたサービスです。
私たちは、「健康経営優良法人」の認定取得だけを目的とするコンサルティングは行いません。
企業文化として健康経営が根づき、従業員が主体的かつ継続的に健康行動を選択できることこそが、私たちの目指すゴールです。
その実現に向けて、現状把握から改善施策の立案・実行、効果検証に至るまで、企業と二人三脚で伴走し続けます。
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