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ストレスチェック

公開日:

2025/09/16

更新日:

2025/09/16

ストレスチェック導入マニュアル|準備から実施までの全手順を解説

上田莉子(産業医)

ストレスチェック導入マニュアル|準備から実施までの全手順を解説

ストレスチェックを導入する目的

ストレスチェックとは、労働者が質問票に答えることで、現在のストレス状態を簡単に把握できる検査です。

労働安全衛生法により、労働者が50人以上いる事業所では、2015年12月から年1回の実施が義務化されています。なお、契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が正社員の4分の3未満の短時間労働者は対象外です。

ストレスチェックを定期的に行うことで、次のような効果が期待できます。

  • 労働者が自身のストレスに気づき、メンタル不調を未然に防げる

  • 部署や職場単位での分析を通じて、職場環境の改善につながる

つまり、ストレスチェックは個人の健康管理と職場環境改善の両面に役立つ重要な仕組みです。

また、これまで50人未満の事業所は「努力義務」にとどまっていましたが、2025年5月おいて、将来的に義務化の方向性が示されています。

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参考:厚生労働省「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律(令和7年法律第33号)の概要」https://www.mhlw.go.jp/content/11300000/001497667.pdf

ストレスチェックの導入・実施方法

ストレスチェックは、次の手順で進めていきます。1年以内ごとに1回、すべての労働者に対しストレスチェックを実施しましょう。

1.導入前の準備

1-1.方針の掲示

「メンタル不調の予防のため、ストレスチェックを行う」という方針を会社として明確にします。

1-2.実施方法の決定

次に、事務所の衛生委員会で、ストレスチェックの実施方法などを話し合いましょう。なお、衛生委員会とは、常時使用労働者数が50人以上の事業場で設置が義務づけられている組織です。

  • ストレスチェックの実施者

  • ストレスチェック実施の時期 

  • ストレスチェックに用いる質問票の内容 

  • 高ストレス者の選定方法 

  • 面接指導の誰に依頼するか

  • 面接指導をどの医師に依頼し実施するか

  • 集団分析はどんな方法で行うのか

  • ストレスチェックの結果は誰が、どこに保存するのか

以上のことを話し合いで決定し、社内規程として明文化することが必要です。そして、全ての労働者にその内容を知らせます。

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1-3.役職の決定

最後に、役職を決めましょう。ストレスチェックに必要な役職を例示します。

制度全体の担当者 

事業所において、ストレスチェック制度の計画づくりや進捗状況を把握・管理します。 

ストレスチェックの実施者 

ストレスチェックを実施する者。医師、保健師、厚生労働大臣の定める研修を修了した歯科医師、看護師、精神保健福祉士、公認心理師の中から選ぶ必要があります。外部委託も可能です。 

ストレスチェックの実施事務従事者 

実施者の補助をする者。質問票の回収、データ入力、結果送付など、個人情報を取り扱う業務を担当します。外部委託も可能です。

事務所の人事に関わる人は、実施事務従業者になることはできません。 

面接指導を担当する医師 

メンタルヘルスに関する一定の研修または実務経験がある医師で、事業場の状況を踏まえた対応ができる人が適切です。

事業場に産業医が選任されている場合は、その産業医が面接指導を担当するのが望ましいとされています。

ただし、産業医以外の医師でも、上記の条件を満たしていれば面接指導を担当可能です。

これでストレスチェックの準備は終わりです。

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2.ストレスチェックの実施

質問票を労働者に配って記入してもらい、医師などの実施者(または実施事務従事者)が回収します。回収した質問票をもとに、実施者がストレスの程度を評価し、高ストレスで医師の面接指導が必要な者を選びます。結果を、実施者から直接労働者本人に通知します。結果は、実施者(または実施事務従事者)が保存します。

これがストレスチェックの一連の流れです。では、詳しく見ていきましょう。

2-1.労働者に質問票を配って記入してもらう

質問票については、

  • ストレスの原因に関する質問項目 

  • ストレスによる心身の自覚症状に関する質問項目 

  • 労働者に対する周囲のサポートに関する質問項目

が含まれていればオリジナルの質問票を作成しても構いません。何を使えばいいか分からない場合は、国が推奨する57項目の質問票を用いてください。

必ずしも紙面で行わなければならない決まりはなく、オンラインで実施することもできます。オンラインの場合、厚生労働省が無料で配布している厚生労働省版ストレスチェック実施プログラムを使用することができます。

なお、一般健康診断の中で精神面の問診を行っていても、それをストレスチェックにかえることはできません。

2-2.実施者が質問票を回収する

医師などの実施者が 質問票を回収します。もしくは、実施事務従事者でも回収が可能です。

第三者や人事権を持つ職員が、記入・入力の終わった質問票の内容を閲覧することはできません。

回収の際は、封筒に入れて封をしてもらうなど、プライバシーへの配慮が必要です。

2-3.実施者がストレスの程度を評価し、高ストレスで医師の面接指導が必要な者を選ぶ

自覚症状が高い人や、自覚症状が一定程度あり、ストレスの原因や周囲のサポートの状況が著しく悪い人を高ストレス者として選びます。

2-4.結果が実施者から直接本人に通知される

この際、事務所には結果が返ってきません。なお、事業所が結果を参照するには、結果の通知の後、本人の承諾を得ないといけません。

2-5.実施者が結果を保存する

第三者に閲覧されないよう、実施者(または実施事務従事者)が保管場所の鍵やパスワードの設定をする必要があります。

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3.面接指導の実施と就業上の措置

ストレスチェックを実施したら、高ストレス者に対しての面接指導の実施が必要です。

3-1.面接の実施依頼

ストレスチェック結果で医師による面接指導が必要とされた労働者から申出があった場合は、医師に依頼して面接指導を実施しましょう。 

なお、申出は、結果が通知されてから1月以内に、面接指導は申出があってから1月以内に行う必要があります。

3-2.医師からの意見聴取

面接指導を実施した医師から、就業上の措置の必要性の有無とその内容について、意見を聴き、それを踏まえて、労働時間の短縮など必要な措置を実施しましょう。 

医師からの意見聴取は、面接指導後11ヶ月以内に行う必要があります。

3-3.面接指導の結果の保管

面接指導の結果を事業所で5年間保存してください。 

以下の内容を含めての記録を作成・保存が必要です。 

  • 実施年月日

  • 労働者の氏名

  • 面接指導を行った医師の氏名

  • 労働者の勤務の状況、ストレスの状況、その他の心身の状況

  • 就業上の措置に関する医師の意見

4.職場分析と職場環境の改善

一連の流れのなかで、職場分析と職場環境の改善のみ、努力義務になります。

4-1.ストレスチェックの集計・分析

ストレスチェックの実施者に、ストレスチェック結果を一定規模の集団(部、課、グループなど)ごとに集計・分析してもらい、その結果を提供してもらいましょう。

ただし、10名以上の集団を集計の対象としましょう。対象の集団が10名未満の場合、個人特定が懸念されることから、結果の提供にはメンバー全員の同意が必要です。

4-2.職場環境の改善

集計・分析結果を踏まえて、職場環境の改善を行いましょう。

ストレスチェックを繰り返すことで、対象の職場の環境の変化が見えてきます。ストレスチェックは、1年以内に1回行い、職員のメンタルヘルス不調を未然に防ぐよう努め 勤めましょう。

参考:厚生労働省「ストレスチェック制度簡単導入マニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/content/000533965.pdf

ストレスチェックのための予算配分

ストレスチェックを導入しようと決めたとき、最も悩ましいのがコストの見積もりと予算配分です。どの項目に、どれだけの予算を割り当てる必要があるかを事前に把握しておくことが、円滑な導入の第一歩となります。

主な費用項目は次のとおりです。

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実施担当者の人件費

社内スタッフが担当する場合は、その工数が人件費として発生します。外部委託する場合も、委託費用として計上が必要です。

ストレスチェック実施費用

質問票の印刷、オンラインシステムの利用料、回答の回収や集計など、検査そのものにかかる費用です。実施規模や方法によって変動します。

高ストレス者への面接指導費

高ストレスと判定された従業員には、本人の希望に応じて面接指導を行う必要があります。産業医への謝礼や、面接時間・回数に応じた報酬に加え、場合によっては交通費も発生します。

集団分析の費用

部署ごとの傾向を把握し、課題を可視化するための集計・分析にかかる費用です。専門家によるコメントやレポート作成が含まれる場合もあります。

職場改善のための費用

集団分析の結果を踏まえ、研修の実施や資料作成、職場環境の改善施策などに必要な費用です。チェックの「実施」で終わらせず、改善につなげるために欠かせない項目です。

このように、ストレスチェックの実施には、人件費・実施費・面接指導費・分析費・改善費といった複数の費用が関わってきます。あらかじめ予算配分を整理しておくことで、導入後の負担を最小限に抑え、より効果的に活用できるでしょう。

では、可能な限りコストを抑えてストレスチェックを導入することはできるのでしょうか。ストレスチェックを自社で行う場合と、外注する場合に分けてご説明します。

ストレスチェックを自社で行う場合のコスト

ストレスチェックの実施そのものに、高額な費用がかかるわけではありません。実際、厚生労働省が提供している標準質問票(57項目版)は無料で利用可能です。紙の調査票を使って最小限の形で行えば、人件費以外のコストはほとんどゼロに抑えられます。

しかし、問題となるのは人件費と事務負担です。ストレスチェックを実施するにあたり、以下のような業務が発生します。

  • 調査票の印刷・配布

  • 回収・集計作業

  • 結果の通知・記録管理

これらには必ず社内の人手と時間がかかり、直接の金銭支出はなくても、人件費という形で確実にコストが発生します。

さらに重要なのは、ストレスチェックの結果「高ストレス」と判定された従業員への対応です。本人の希望があれば、産業医などによる面接指導を行うことが義務づけられています。この面談には別途費用が必要となり、相場は以下のとおりです。

  • 1回あたり:1万〜5万円程度

  • 産業医が実施する場合:1時間あたり約2万〜2万5千円

つまり、ストレスチェックは無料でできると思われがちですが、実際には人件費や面接指導の費用など、一定のコスト負担が避けられないのです。企業としては、その点をあらかじめ理解し、実施体制を整えておくことが欠かせません。

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ストレスチェックを委託する場合のコスト

自社で実施するのは負担が大きいと感じる企業にとって、外部委託は有力な選択肢です。では、実際に外注するとどのくらいのコストがかかるのでしょうか。一般的な相場を整理してみます。

導入(初期)費用

約2万~5.5万円。 

契約時に発生する基本料金です。質問票のカスタマイズ、システム構築、実施計画の策定などが含まれ、Web形式でも同様の価格帯です。

実施費用(1人あたり)

1人あたり約300~600円。

最も大きな費用部分です。1人あたり2,000円程度と高額なサービスも存在します。規模が大きいほど単価が下がる傾向にあります。また、Webか紙媒体かによって費用が変動します。

面接指導費用

1件あたり1万~5万円。

標準的には2万~2万5千円程度とされています。高ストレス者への対応は義務となるため、あらかじめ見込んでおく必要があります。

集団分析費用

1グループあたり1.5万~2.5万円。 

部署ごとの集計やレポート作成を含めると、1回1万~5万円程度が目安です。

委託の際は、面接指導や集団分析が「基本料金に含まれるか」「追加費用か」を必ず確認しましょう。単純に安さだけでなく、年間トータルコスト・サポート体制・継続性を比較検討することも大事です。

外注費用は一見すると単純ですが、実際は「どこまで含まれるか」によって大きく変わります。トータルコストを意識することで、長期的に安心できる選択が可能になります。

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職場のストレスチェック+plusでスムーズなストレスチェックの導入を

さて、これまでストレスチェックの導入についてお話しました。ストレスチェックを実施するにあたっては、法令上のルールや運用上の配慮など、注意すべき点が数多くあります。

特に初めて導入する場合、「どの質問票を使えばよいか」「結果をどう管理すればよいか」など、戸惑うことも少なくありません。

そこで有効なのが、外部委託や専門ツールの活用です。

なかでも、アフターフォローの手厚い「職場のストレスチェック++plus」がおすすめです。

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3. 専門家による安心サポート

臨床心理士などの専門家によるフォローアップ(オプション)が可能。実施後のケアまで安心です。

さらに充実した機能・サービス

  • 柔軟な実施形式:Web版・紙版・併用に対応

  • 選べる設問数:57項目・80項目・カスタマイズ設問

  • 多言語対応:英語(紙版のみ)

  • 結果の活用も簡単:集団分析や面談申込をシステム上で実施可能

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