健康診断の受診率を上げる方法は
「健康診断を案内しても、なかなか受診してもらえない」
「未受診者への連絡や受診状況の確認に、時間がかかってしまう」
従業員の健康診断を担当する人事・労務担当者のなかには、このような悩みを抱えている方もいるのではないでしょうか。
企業には法令に基づき従業員へ健康診断を実施する義務があります。しかし、日程調整や案内、受診勧奨など担当者の業務は多岐にわたります。特に従業員数が多い企業や複数拠点を持つ企業では、受診状況の正確な把握だけでも大きな負担となります。
健康診断の受診率を高めるためには、従業員が受診しやすい環境を整えるとともに、担当者が効率よく受診状況を管理できる仕組みづくりが重要です。
本記事では、健康診断の受診率が上がらない原因や、受診率を高めるための具体的な方法を解説します。あわせて、健診業務の負担を軽減するための方法についても紹介します。
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企業が健康診断の受診率を高めるべき理由
企業が従業員の健康診断の受診率を高めることは、法令遵守だけでなく、従業員の健康維持や働きやすい職場環境の整備にもつながります。
まずは、企業が健康診断の受診率向上に取り組むべき理由を確認しましょう。
健康診断の実施は企業の義務である
労働安全衛生法第66条では、事業者に対して、労働者に医師による健康診断を実施することを義務づけています。
また、労働安全衛生規則第44条では、常時使用する労働者に対して、原則として1年以内ごとに1回、定期健康診断を実施することが定められています。
健康診断の実施は企業の法的義務であり、対象となる従業員には受診義務があります。そのため、企業は健康診断を案内するだけでなく、対象者が適切に受診できるよう、必要な対応を行うことが重要です。
なお、従業員が会社指定の医療機関ではなく、別の医療機関で健康診断を受けることも認められています。ただし、その場合は、法定の健康診断に相当する検査を受け、結果を証明する書面を会社に提出する必要があります。
従業員の健康維持や疾病の早期発見につながる
定期的な健康診断は、自覚症状がない段階から健康状態を確認し、疾病の早期発見や健康管理につなげる貴重な機会となり得ます。
例えば高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、初期の自覚症状が乏しいため注意が必要です。健康診断で異常に気づくことが、早期受診や生活習慣改善の第一歩となります。
なお、健康診断は受診して終わりではありません。労働安全衛生法では異常所見がある従業員に対し、医師の意見を聴いたうえで適切な就業上の措置を講じるよう求めています。
従業員の健康を守るためには、健康診断の受診率向上に加え、健診結果に基づいた適切な事後対応も重要です。
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健康診断の受診率が上がらない主な原因
健康診断を実施していても、すべての従業員が予定どおりに受診するとは限りません。
受診率を高めるためには、まず従業員が健康診断を受けられない、あるいは受けない理由を把握する必要があります。
業務が忙しく、受診する時間を確保できない
健康診断を受診しない理由として考えられるのが、業務の忙しさです。
特に、人員に余裕のない部署やシフト制の職場では、従業員が健康診断のために業務を離れることが難しい場合があります。
また、受診できる日程が限られていると、出張や会議、休暇などと重なり、受診の機会を逃してしまうこともあるでしょう。
受診率を高めるためには、従業員本人に日程調整を任せるだけでなく、会社側が受診時間を確保しやすい環境を整えることが大切です。
健康診断を受ける必要性が十分に伝わっていない
健康診断の重要性について、従業員の理解が十分でないことも、未受診につながる要因の一つです。
特に、若年層や健康に自信がある従業員のなかには、「体調に問題がないので、健康診断を受ける必要はない」と考える人もいるかもしれません。
しかし、生活習慣病などは、自覚症状がなくても進行している場合があります。
企業は、健康診断が法令で定められていることだけでなく、自身の健康状態を確認する大切な機会であることも伝える必要があります。
予約や受診手続きが煩雑になっている
健康診断の予約手続きが複雑な場合も、受診を妨げる要因になり得ます。
例えば、従業員自身が医療機関を探し、電話で予約しなければならない場合、手続きを負担に感じて予約を後回しにしてしまう可能性があります。
また、企業が複数の医療機関と契約している場合には、予約方法や受診できる検査項目などが施設ごとに異なることもあります。
こうした手続き上の負担を軽減し、従業員が迷わず予約・受診できる仕組みを整えることが重要です。自社内での対応が難しい場合は、医療機関の予約確保や日程調整、受診票の発送手続きなどを専門事業者に一括委託するサービスを取り入れるのも効果的な手段となります。
未受診者を正確に把握できていない
企業側の受診管理が十分でないことも、受診率が伸び悩む原因になります。
例えば、健康診断の案内を送付した後、実際に予約したか、受診を完了したかまで確認できていないケースです。
特に、従業員数が多い企業や拠点が分散している企業では、部署ごとに異なる方法で受診状況を管理していることもあります。
受診状況を正確に把握できなければ、未受診者への適切なタイミングでの働きかけも難しくなります。
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健康診断の受診率を上げる7つの方法

健康診断の受診率を高めるためには、従業員の意識を高める取り組みと、受診しやすい環境づくりの両方が必要です。
ここでは、企業が実践できる7つの方法を紹介します。
1.健康診断の目的と重要性を周知する
健康診断の案内を送る際には、日時や場所などの事務的な連絡だけでなく、受診する意義についても簡潔に説明しましょう。
例えば、健康診断は自覚症状のない健康上の問題を発見する機会であることや、定期的に数値を確認することが健康管理に役立つことなどを伝えます。
社内メールや掲示板、イントラネットなど、従業員が日常的に利用する媒体を活用するのもよいでしょう。
2.勤務時間内に受診できる環境を整える
従業員が健康診断を受けるための時間を確保できるよう、会社側が配慮することも重要です。
例えば、勤務時間内に受診できる日程を設けたり、受診時間に合わせて業務量を調整したりする方法が考えられます。
なお、一般健康診断の受診時間に対する賃金の支払いは、原則として労使間の協議によって定めるものとされています。ただし、厚生労働省は、健康診断を円滑に実施する観点から、企業が賃金を支払うことが望ましいとしています。
従業員が仕事と健康診断を両立しやすい職場環境を整えることが、受診機会の確保につながります。
3.受診できる日程や医療機関の選択肢を増やす
従業員の勤務形態や居住地域に応じて、健康診断を受けられる機会を増やすことも効果的な対策の一つです。
例えば、集団健診を実施する場合は複数の日程を設けたり、都合が合わない従業員には個別受診を案内したりする方法があります。
また、全国に拠点を持つ企業では、各地域で利用できる医療機関を確保することも重要です。
従業員が自宅や職場の近くで受診できれば、移動時間や日程調整の負担を軽減できます。受診実績のない地域で提携機関を新たに確保したい場合は、医療機関の新規開拓に対応できる外部の健診代行サービスを活用する選択肢もあります。
4.予約手続きを簡単にする
健康診断の予約方法を見直し、従業員が手軽に予約できる環境を整えましょう。
例えば、Web予約を導入すれば、従業員が空き時間に受診日を選択できるようになります。また、予約方法や受診までの流れを案内資料にまとめておくと、問い合わせの削減にもつながります。
健康診断の予約に必要な手順が多い場合は、手続きをできるだけ簡素化することが大切です。
予約の利便性を高めることで、従業員が健康診断を受けるまでの心理的・時間的な負担を減らせます。
5.受診前のリマインドを実施する
健康診断の案内を一回送信したのみでは、予定の失念や予約の先送りが生じやすくなります。
そのため、受診期限や予約状況に応じて、定期的にリマインドを行うことが重要です。
例えば、受診開始時に案内した後、期限の1か月前や2週間前などに再度通知する方法があります。
予約済みの従業員には受診日時を知らせ、未予約の従業員には予約を促すなど、状況に応じて内容を変えるとよいでしょう。
ただし、過度な通知は従業員の負担になる場合もあります。必要な情報を適切な頻度で届けることを意識しましょう。
6.未受診者を把握し、個別に受診を勧奨する
受診率を高めるためには、未受診者への個別対応も欠かせません。
受診状況を定期的に確認し、予約が完了していない従業員や、予約日を過ぎても受診が確認できない従業員を把握しましょう。
そのうえで、本人に受診状況を確認し、必要に応じて再予約を案内します。
一律に受診を促すのではなく、日程が合わない、予約方法がわからないなど、未受診の理由に応じた対応を行うことが大切です。
なお、受診勧奨を行う際には、従業員のプライバシーにも配慮する必要があります。健康情報の取り扱いは必要な範囲に限定し、周囲に個人の健康状態が知られることのないよう注意しましょう。
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7.受診状況を一元管理する
複数の部署や事業所がある企業では、受診状況を一元管理することも重要です。
例えば、部署ごとにExcelファイルで受診状況を管理していると、情報の更新漏れや重複、集計ミスなどが生じる可能性があります。
また、医療機関から届いた健診結果を手作業で転記している場合は、担当者の業務負担も大きくなります。
予約状況や受診状況をまとめて確認できる仕組みを整えることで、未受診者を把握しやすくなり、受診勧奨にも取り組みやすくなります。
さらに、受診率を部署別・事業所別に集計すれば、受診が進んでいない部門を把握し、翌年度の健診計画の改善にも役立てられます。
健康診断の受診率を上げるには、担当者の業務負担軽減も重要
ここまで、健康診断の受診率を上げるための方法を紹介しました。
しかし、実際にこれらの対策を実施しようとすると、人事・労務担当者の業務負担が増える可能性があります。
健康診断の実施には、医療機関との調整や従業員への案内、予約状況の確認、未受診者への受診勧奨、健診結果の回収など、多くの業務が発生するためです。
特に、従業員数や事業所数が多い企業では、担当者だけですべての業務を管理することが難しい場合もあるでしょう。
こうした課題を解決する方法として、健診代行サービスや健康管理システムの活用が挙げられます。
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受診率の伸び悩みを招く「予約・手配のハードル」
健康診断の受診率が改善しない背景には、従業員が個別に医療機関を予約・訪問する手間や業務調整の難しさがあります。また人事担当者にとっても、受診進捗の把握や未受診者の特定が難しく、個別の催促・受診勧奨作業は大きな工数的・心理的負担となり、フォローが後手に回りやすいという課題が存在します。
「受診率向上」を実現する健診代行サービスの3つの強み
エムスリーヘルスデザインの健診代行サービスは、受診のハードルを取り除き、社内全体の受診率向上を実現する強みを備えています。
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敷地内や指定会場に医療チームが出張する「巡回健診」に対応します。移動や待ち時間を削減し、勤務中のわずかな時間で受診を完了できるため、受診率の向上が期待できます。
- 受診票の自宅送付と受診勧奨代行:
リモートワークや分散拠点の従業員へ受診票・検査キットをご自宅宛てに直接発送可能。さらに未予約者・未受診者を一括管理し、適切な催促・受診勧奨を代行して受診漏れを防ぎます。
- 柔軟な予約対応と新規開拓:
自社の運用フローに合わせた予約手配に加え、受診実績がない地域における医療機関の新規開拓にも対応します。全社へスムーズな受診機会を提供し、受診漏れを防ぎます。
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健康診断の受診率向上には、受診環境と管理体制の整備が大切
健康診断の受診率を上げるためには、従業員への周知や受診勧奨に加えて、勤務時間内に受診できる環境づくりや予約手続きの簡素化など、さまざまな工夫が必要です。
また、未受診者を正確に把握し、適切なタイミングで受診を促すためには、企業側の管理体制を整えることも欠かせません。
健診業務の負担が大きい場合は、健診代行サービスや健康管理システムの導入も検討してみましょう。
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