巡回健診のメリット・デメリットとは?導入前に知っておきたいポイント
「従業員に健康診断を受けてもらいたいものの、勤務時間中に一人ひとり病院へ行ってもらうのは負担が大きい」
「受診率を上げるために巡回健診を検討しているが、準備や当日の対応が大変そう」
「巡回健診と医療機関での受診、結局どちらが自社に合っているのかわからない」
このような悩みを抱えている人事・総務担当者も多いのではないでしょうか。
巡回健診は、健診機関のスタッフや健診車が企業を訪問し、オフィスや事業所などで健康診断を実施する方法です。従業員が医療機関まで移動する必要がないため、受診しやすく、健康診断に伴う業務への影響を抑えやすい点が大きなメリットです。
一方で、実施場所の確保や健診機関との日程調整、対象者への案内など、企業側に一定の準備が必要になるケースもあります。そのため、「便利そう」という理由だけで導入するのではなく、自社の従業員数や拠点、勤務形態などを踏まえて検討することが重要です。
本記事では、巡回健診のメリット・デメリットを整理するとともに、どのような企業に向いているのか、導入時に押さえておきたいポイントについて解説します。さらに、健診の予約・受診管理といった担当者の業務負担を軽減する方法についても紹介します。
巡回健診とは
巡回健診とは、健診機関のスタッフや健診車が企業や事業所を訪問し、その場で健康診断を実施する方法です。
一般的な健康診断では、従業員が指定された医療機関へ足を運び、個別に受診します。一方、巡回健診では、会議室やホールなど社内のスペースを健診会場として使用し、一定の時間帯に従業員が順番に受診します。
従業員数が多い企業や、工場・物流拠点など一つの事業所に多くの従業員が勤務している企業では、従業員を医療機関へ送り出すよりも、一度にまとめて健診を実施できる巡回健診のほうが効率的な場合があります。
ただし、巡回健診にはメリットだけでなく、企業側で準備しなければならないこともあります。導入を検討する際は、メリットとデメリットの両方を吟味し、自社に適しているか判断することが重要です。
巡回健診のメリット

従業員の移動負担を軽減できる
巡回健診の大きなメリットは、従業員が医療機関へ移動する必要がないことです。
医療機関で健康診断を受診する場合、移動時間に加えて、受付や待ち時間も発生します。勤務地から健診機関まで距離がある場合には、受診だけで半日近くかかってしまうケースもあります。
巡回健診であれば、従業員は社内や事業所内の健診会場へ移動するだけで受診できます。
短時間で業務に戻りやすいため、従業員本人の負担だけでなく、健康診断による業務への影響も抑えやすくなります。
健康診断の受診率向上が期待できる
健康診断の案内をしていても、「予約を忘れていた」「忙しくて医療機関に行けなかった」といった理由で、なかなか受診してもらえないことがあります。
巡回健診であれば、勤務先で健康診断を受けられるため、従業員自身が医療機関を探したり、移動したりする負担を減らせます。
さらに、部署単位で受診時間を設定するなど、企業側が受診状況を把握しながら運用しやすくなります。
その結果、未受診者を減らし、健康診断の受診率向上につなげやすい点も巡回健診のメリットです。
さらに、未受診者に対して自動で受診勧奨を行うシステム上の仕組みを組み合わせれば、より確実な受診率の向上を支援できます。
多くの従業員をまとめて受診させやすい
従業員数が多い場合、一人ひとりが異なる医療機関や日程で健康診断を受診すると、受診状況の管理が複雑になりがちです。
巡回健診では、あらかじめ決めた日程で多くの従業員がまとめて受診できます。
特に、一つの工場や事業所に多くの従業員が勤務している場合には、効率的に健康診断を実施しやすくなります。
健診日を社内行事のように設定することで、従業員への周知や受診勧奨もしやすくなるでしょう。
業務への影響を抑えやすい
医療機関で個別に健康診断を受ける場合、従業員ごとに受診日が異なるため、年間を通して断続的に業務への影響が発生することがあります。
一方、巡回健診では受診日をある程度集約できます。
たとえば、部署ごとに30分単位で受診時間を割り振ることで、業務の繁閑を考慮しながら健康診断を実施することも可能です。
健康診断のために従業員が長時間職場を離れるケースを減らせるため、生産性への影響をできるだけ抑えたい企業にも適しています。
巡回健診のデメリット
健診会場として一定のスペースを確保する必要がある
巡回健診を実施する場合、企業側で健診に使用するスペースを用意する必要があります。
健診内容によって異なりますが、受付や問診、身体測定、採血などを行う場所に加えて、従業員が待機するスペースや、プライバシーに配慮した環境が求められる場合もあります。
会議室が少ない企業や、オフィスのスペースに余裕がない企業では、通常業務との兼ね合いを考えながら会場を確保しなければなりません。
また、健診当日は一定時間、会議室などを通常業務で使用できなくなることも考慮する必要があります。
健診機関との調整や事前準備が発生する
巡回健診は、健診機関に依頼すればすべて任せられるとは限りません。
実施日程や対象人数、健診項目、当日の受付時間などについて、健診機関と事前に調整する必要があります。
さらに、従業員への案内や受診時間の割り振り、問診票などの配布・回収、当日の誘導といった業務が発生することもあります。
特に従業員数が多い企業では、「どの部署が何時に受診するのか」「業務を止めずにどう受診してもらうか」といった調整に時間がかかることがあります。
従業員にとっては受診しやすい巡回健診でも、人事・総務担当者にとっては、導入時の調整業務が負担になる可能性がある点には注意が必要です。こうした事前準備や案内、リマインドなどのフォロー業務を自動化できる健康管理システムをあわせて活用すれば、担当者の工数や負担を大幅に削減できます。
当日に受診できない従業員への対応が必要になる
巡回健診は基本的に指定の日時・場所で実施するため、出張や休暇、シフト勤務、在宅勤務などの従業員は当日に受診できない場合があります。
巡回健診のみで全従業員を一度にカバーするのは困難です。未受診者に対しては、別日程での医療機関受診や他拠点での巡回健診案内といった個別フォローを計画に入れておく必要があります。
従業員の働き方が多様化している企業では、「巡回健診だけで全員をカバーできるか」という視点で検討することが大切です。
受診できる検査項目が限られる場合がある
巡回健診では、健診車や企業内の特設会場で検査を行うため、医療機関で受診する場合と比べて、対応できる検査項目が限られる場合があります。
一般的な定期健康診断であれば対応できるケースが多いものの、企業独自で追加している検査や、特定の設備が必要な検査については、巡回健診では実施できないこともあります。
そのため、「自社で必要としている健診項目に対応できるか」は、健診機関へ事前に確認しておく必要があります。
巡回健診が向いている企業
巡回健診は、すべての企業に適しているわけではありません。
特に導入効果を感じやすいのは、同じ事業所に多くの従業員が勤務している企業です。
たとえば、工場や物流センター、コールセンター、大規模オフィスなどでは、一度に多くの従業員が受診できる巡回健診と相性がよいと考えられます。
また、健康診断の受診率に課題を感じている企業にも有効です。
従業員自身に医療機関の予約や移動を任せていることで未受診者が多くなっている場合、職場で受診できる環境を整えることで受診のハードルを下げられます。
一方で、従業員が全国各地に分散している企業や、リモートワーク中心の企業では、一つの会場で巡回健診を実施してもメリットを得にくい場合があります。
こうした企業では、「本社や大規模拠点では巡回健診を実施し、それ以外の従業員には提携医療機関での受診を案内する」といったように、複数の受診方法を組み合わせることも選択肢になります。
巡回健診を導入する際は「健診後の管理」まで考える
巡回健診を導入するときは、当日の健康診断をどう実施するかだけでなく、その前後の業務についても考えておく必要があります。
健康診断の運用では、健診機関の選定や日程調整だけでなく、
- 対象者の抽出
- 従業員への案内
- 受診日時の調整
- 受診状況の確認
- 未受診者への受診勧奨
- 健診結果の回収
- 健診結果のデータ化
- 結果に応じた事後フォロー
など、さまざまな業務が発生します。
巡回健診によって従業員の受診負担を軽減できたとしても、人事・総務担当者の管理業務まで自動的になくなるわけではありません。
特に複数の拠点や健診機関を利用している企業では、巡回健診の結果と医療機関で個別に受診した従業員の結果が別々に届き、データを一つにまとめる作業が発生することもあります。
そのため、巡回健診の導入を検討する際には、「健康診断を実施できるか」だけではなく、「その後の管理を無理なく継続できるか」まで確認しておくことが重要です。
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健診業務の負担を減らすなら健診代行サービスの活用も選択肢
巡回健診を導入したいものの、「健診機関との調整まで手が回らない」「巡回健診と個別受診をまとめて管理するのが大変」と感じている場合には、健診代行サービスを活用する方法があります。
健診代行サービスでは、企業に代わって健診機関との調整や予約管理、受診状況の管理など、健康診断に関するさまざまな業務を支援します。
当社の健診代行サービスでは、医療機関での個別受診だけでなく、巡回健診を組み合わせた健康診断の運用にも対応可能です。
たとえば、「本社では巡回健診」「地方拠点では提携医療機関」「在宅勤務者は自宅近くの医療機関」といったように、従業員の勤務形態や拠点に合わせた受診体制を構築できます。
健康診断の受診方法を一つに統一するのではなく、自社に合った方法を組み合わせることで、従業員の受診負担軽減と担当者の運用効率を両立しやすくなります。
エムスリーヘルスデザインの健診代行サービスでスムーズな巡回健診の導入を
エムスリーヘルスデザインの健診代行サービスはカスタマイズ性が高く、部分的にプロに頼りたいという企業にも、健診業務を全面的に依頼したい企業にもおすすめです。
主に、次のような特徴があります。
- 既存フローに合わせた柔軟な予約設計:
事前の予約枠確保や、従業員から希望日を募る方式など、現在の運用状況に合わせて最適な予約フローを構築します。
- 定期健康診断以外の多様な健診にも対応:
定期健康診断だけでなく、雇用時健診や海外赴任前後の健診、その他各種健診コースなど、幅広いニーズにお応えします。
- 新規の医療機関開拓をサポート:
これまで利用実績のない医療機関での受診を希望される場合も、追加費用なしで新たな医療機関の開拓・調整に対応可能です。
そして、エムスリーヘルスデザインの健診代行サービスには、巡回健診のオプションの追加が可能です。
「できるだけ日常業務に支障をきたさずに健康診断を実施したい」「社内の健診受診率を改善したい」とお悩みの企業様に、特におすすめのオプションです。
「手間のかかる健診業務をプロに一括して委託したい」というご要望にお応えするとともに、巡回健診オプションの追加によって従業員様・担当者様双方の負担をさらに削減することが可能です。ぜひご検討ください。
健診結果を健康管理システムで一元管理することも重要
健康診断は、従業員に受診してもらうことがゴールではありません。
健診結果を適切に管理し、必要に応じて従業員へのフォローにつなげることが重要です。
しかし、巡回健診や複数の医療機関を利用していると、健診結果のフォーマットや受け取り方法が異なり、担当者がExcelなどへ転記して管理しているケースもあります。
こうした作業は担当者の負担になるだけでなく、データの入力漏れや確認漏れにつながる可能性もあります。
健康管理システムを活用すれば、健診結果を従業員ごとに一元管理し、過去の結果とあわせて確認しやすくなります。
さらに、健診結果だけでなく、面談記録や就業判定など、従業員の健康管理に必要な情報をまとめて管理できれば、健康診断後のフォローも行いやすくなるでしょう。
「巡回健診を導入して受診しやすい環境を整える」「健診代行サービスで担当者の業務を効率化する」「健康管理システムで健診結果を活用する」というように、健康診断の実施から結果管理までを一連の業務として見直すことが、効率的な健康管理につながります。
巡回健診 × ハピネスパートナーズ で実現する「受診率向上」と「業務工数を87%削減」のシナジー
「巡回健診」は、確かに、従業員の移動負担をなくし、社内の受診率を飛躍的に向上させる優れた手法です。しかし、「短期間に全員が一斉に受診する」ということは、裏を返せば「大量の健診データが一度に人事担当者のもとへ押し寄せる」ということでもあります。
医療機関から届くバラバラな形式の健診結果を、手作業でExcelに転記したり、有所見者を一人ずつピックアップして二次検査を案内したりしていては、せっかくの効率的な巡回健診のメリットが、膨大な後処理の事務負担で相殺されてしまいます。
そこで、健康管理システム「ハピネスパートナーズ」を連携させることで、巡回健診の強みを極限まで引き出し、受診から事後措置にいたるまでのプロセスをスムーズにデジタル化・自動化できます。
1.一斉に届く大量の受診データも、システムが自動で一元管理
巡回健診で回収された従業員全員のデータは、ハピネスパートナーズの統一フォーマットでスムーズにクラウド上に集約されます。紙やExcelでの管理から脱却することで、健康診断に関わる業務の約87%の工数削減(2,000名規模の企業で年間約1,447時間分の削減)が見込まれます。
2.健診後の「二次検査案内」を自動化し、フォロー漏れをゼロに
巡回健診の結果データをもとに、二次検査が必要な対象者をシステムが自動判定。対象者への一括受診勧奨や再検査の案内、未受診者への自動リマインドメールの送信までシステム上で完結するため、担当者様が個別にメールを作成して送る手間は一切不要です。
労基署報告書の自動作成からAIを活用した健康経営の推進まで
1.労基署へ提出する「結果報告書」もワンクリックで自動作成
巡回健診後に発生する最も面倒な作業が、労働基準監督署への「定期健康診断結果報告書」の作成です。ハピネスパートナーズなら、蓄積されたデータをもとに、労基署提出用(e-Govの電子申請対応)の報告書XMLをワンクリックで自動生成できます。手作業での転記や集計、厚労省フォーマットへの変換作業の手間を大幅に削減できます。
2.受診直後から、会社の健康課題をAIが即座に「見える化」
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