企業が従業員の健康を守るうえで、定期健康診断の実施は、労働安全衛生法により事業者に義務付けられています。しかし、法律で定められた基本的な健康診断を受けさせるだけでは、従業員の健康リスクを未然に防ぎきれるとは限りません。従業員の健康を本当の意味で守るためには、通常の健康診断に加えて、人間ドックやがん検診などのオプション項目を追加し、疾病の早期発見・早期治療へつなげることが不可欠です。近年広まりを見せる「健康経営」という捉え方においても、企業が従業員の健康保持増進に向けて一歩踏み込んだ関わりを持つことが重要視されています。
ただし、これらの手厚い予防施策や充実した健診プログラムをすべて自社の持ち出しでカバーしようとすると、企業側の費用や負担は極めて大きくなってしまいます。そこで重要な鍵となるのが「補助金・助成金制度」の存在です。決められた予算の中で効率的に従業員の健康を守り、組織の活性化を図るために、本記事では2026年最新の補助金制度の種類や対象となる条件、申請時の注意点まで詳しく解説します。
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健康診断における補助金・助成金制度の全体像
健康診断に関連する補助金や助成金は、疾病の早期発見を促進し、将来的な重症化や社会全体の医療費増大を防ぐことを目的として設定されています。
法律で企業に実施が義務付けられている「定期健康診断(法定健診)」の費用は全額会社負担が原則です。一方で、人間ドックやオプション検査の追加、あるいは法定義務の対象外となる短時間労働者への任意健診の提供などは「法定外健診」として扱われ、企業による手厚い健康支援として位置づけられます。
補助金制度の多くは、こうした法定外の健診費用や特定対象者への手厚い健診提供に伴う企業負担を補填するために用意されています。補助制度を適切に利用することで、企業は限られた予算の中でも従業員に対して充実した検査の機会を提供できるようになり、費用を抑えつつ一歩進んだ健康管理を実現することが可能になります。
しかし、どれほど手厚い補助金制度があっても、対象者の年齢や雇用区分、所属拠点などをExcelで手動抽出して管理し、バラバラのクリニックと予約調整や個別精算を行う実務は、人事労務担当者にとって極めて重い負担となります。せっかく健診費用そのものを抑えられても、手続きの工数で人件費が膨らんでしまっては本末転倒です。
そこで注目されているのが、健診業務の各プロセスをプロが一括して代行する「健診代行サービス」と、データ管理を効率化する「健康管理システム」の掛け合わせです。
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さらに、クラウド型の健康管理システム「ハピネスパートナーズ」を併用することで、これまでExcelや紙で行っていた受診対象者の抽出作業も、設定した条件に合わせてシステム上で毎日自動的に抽出・更新されるようになります。
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企業が活用できる!健康診断の主な補助金・助成金の種類

健康診断の費用負担を軽減する制度は、事業所が加入している健康保険組合などの保険者が提供するものと、厚生労働省などの行政機関が実施するものに分かれます。自社の状況に合わせて適切な制度を確認・選択することが重要です。
厚生労働省|キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)の動向
過去には非正規雇用者を対象に、新たに健診制度を設けた企業に対して支給される「キャリアアップ助成金(健康診断制度コース)」が存在しましたが、残念ながらこのコースは現在すでに廃止されています。
厚生労働省|人材確保等支援助成金の動向
従業員の離職防止や定着率向上を目指す企業に向けた支援策として、健康づくり制度の導入が対象となる『人材確保等支援助成金』が存在しますが、現在は整備計画の受付を休止しています。今後、申請受付が再開される可能性もあるため、厚生労働省による最新の公表・公募状況を定期的に確認することが推奨されます。
協会けんぽ(全国健康保険協会)の生活習慣病予防健診
全国の多くの企業が加入している協会けんぽでは、35歳以上の被保険者となった従業員を対象に「生活習慣病予防健診」の費用補助を行っています。一般健診には基本的な血液検査やレントゲン検査のほか、胃の検査等が含まれており、指定の医療機関で受診する方の自己負担額が大幅に軽減されます。費用負担を抑えながら通常の定期健診よりも充実した内容にアップグレードできるため、最も利用しやすい代表的な制度です。
業務別協会や業界健康保険組合の独自補助
関東ITソフトウェア健康保険組合などの業界健保や、トラック協会といった業界別団体では、それぞれの会員や事業特性に合わせた独自の健康サポートや助成制度を設けています。
例えば、関東ITソフトウェア健康保険組合では、直営健診センターや指定エリアでの健診、被扶養者向けの健康診断など、加入者に向けた幅広い健診メニューを提供しています。
また、全日本トラック協会では、運転者の健康に起因する事故を防止するため、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)スクリーニング検査」や「血圧計導入促進」に対する助成事業を実施し、業界特有の健康課題に対する支援を行っています。
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2026年最新!協会けんぽの変更点と今後の動向
健康管理を巡る公的制度は社会のニーズに合わせて毎年見直しが行われていますが、なかでも企業の担当者が注目すべきは「協会けんぽ(全国健康保険協会)」の動向です。協会けんぽは、主に中小企業で働く従業員やその家族が加入している日本最大の健康保険組合であり、国内の多くの企業において健康管理を支える重要な基盤となっています。この協会けんぽにおいて、2026年度から健康診断に対する非常に手厚いサポートを行うための大きな制度改定が実施されました。企業が予算内で効率的に健康管理を進めるために知っておくべき、2026年の最新情報について詳しく解説します。
2026年度の制度見直しと健康課題へのアプローチ
2026年度(令和8年度)からの改定では、若年層からの予防アプローチを強化するため、これまで35歳以上だった生活習慣病予防健診の対象が、新たに20歳、25歳、30歳の被保険者へも拡大されました。さらに、35歳以上の被保険者を対象とした人間ドック健診への補助(最高25,000円)や、40歳以上の女性被保険者を対象とした骨粗しょう症検診への補助も新たに開始されるなど、サポート内容が大幅に拡充されています。
このように、2026年度以降の健診メニューは対象年齢や検査項目、オプションの種類が大幅に細分化されており、企業にとっては企業にとって大きなメリットがある一方で、誰がどの健診補助の対象なのかを確認し、確実に受診させる難易度は上昇してしまいます。
こうした複雑な要件定義に完全対応できるのが、クラウド型健康管理システム「ハピネスパートナーズ」です。年齢や部署、受診履歴などの複数条件を組み合わせた柔軟なラベル機能により、20歳・25歳・30歳の若年者健診対象者や、特定の女性検診対象者をシステムが自動でピンポイント抽出します。さらに未受診者や未予約者への自動一括リマインド機能も備わっているため、どれほど補助制度が複雑化しても、担当者の手作業を増やすことなく、受診率の向上と未受診者の撲滅を強力に後押しします。
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2027年度より被扶養者にも対象拡大の動き
さらに先を見据えた動向として、2027年度に向けて従業員の家族である被扶養者への健診補助を拡充する動きが進んでいます。従業員本人にとどまらず家庭全体の健康を支える姿勢は、今後の社会的信頼や健康経営の評価においても重要な意味を持ちます。
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申請期限と対象条件の確認を徹底する
補助金や助成金は企業の財務負担を軽くするという大きなメリットをもたらしますが、手続き上の注意点を理解しておかないと給付を受けられない危険性があります。ほとんどの補助制度には厳格なスケジュールや対象条件が定められています。特に厚生労働省の助成金などを利用する場合、健診を実施する前に「就業規則の変更」や「計画書の提出」を完了させておく必要があるケースが多く、事前手続きを怠ると後から申請することはできません。事前に社内の対象者の範囲やスケジュール、申請に必要な手続き内容を入念に確認しておく必要があります。
不正受給を避けるための就業規則整備と記録保存
万が一、申請内容と異なる不適切な運用を行った場合、不正受給とみなされて助成金の返還やペナルティを科されるリスクがあります。これを防ぐためには、健康診断に関する社内規定を就業規則に正しく整備し、受診結果の記録や領収書、受診者名簿などの書類を法令に従って長期間にわたり厳重に保管する管理体制が必須となります。
補助金活用に伴う「管理の厳格化」と「事務作業の肥大化」をクリアする最適解
補助金や助成金の恩恵を受けるためには、対象者の厳密な抽出や受診状況のリアルタイム管理、さらには法令に準拠した受診結果の確実な保管が不可欠です。しかし、これらを従来のように手作業やExcelで行う場合、対象者の特定や未受診者への一括リマインド、さらには健保へ提出する複雑な特定健診結果のデータの作成などに膨大な工数が発生し、人事労務の現場を圧迫してしまいます。この「管理の手間」という実務の壁を劇的に解消し、補助金運用の確実性を高めるアプローチが、アウトソーシングと健康管理システムの掛け合わせです。
エムスリーヘルスデザインが提供する「健診代行サービス」と健康管理システム「ハピネスパートナーズ」を合わせて活用することで、以下のような一連の業務をすべてデジタル化・代行できます。
- 面倒な実務をまるごと削減(健診代行サービス):全国の健診施設との調整・予約・一括請求(請求書の送付)をプロが代行します。
- 法定業務の抜け漏れをシステムで解決(ハピネスパートナーズ):受診状況の可視化と自動リマインドで未対応を防止。就業判定や労基署報告書の作成もワンクリックで完了し、管理工数を最大87%削減(※自社実績に基づく)します。
補助金を賢く申請・維持するための強固なセキュリティ管理体制(ISMS認証取得済)と、属人化を排除したスピーディーな運用を、この機会に手に入れてみてはいかがでしょうか。
補助金を最大限活用して「健康経営」を推進するには
補助金を活用して健診の費用負担を軽減することは、あくまで健康経営の第一歩に過ぎません。確保した予算やリソースを活用し、受診後の「事後措置」を徹底することこそが、従業員の健康を守るうえで最も重要です。
健診の結果、要再検査・要精密検査等の判定が出た従業員に対して受診を促す(受診勧奨を行う)ことや、産業医と連携して適切な就業上の措置を講じることは、企業の安全配慮義務の観点から極めて重要です。補助金によって生み出した余裕を、産業医による面談機会の確保や、二次検診の受診勧奨、さらにはストレスチェックやメンタルヘルスケアの拡充へと振り向けることで、初めて企業と従業員の双方が恩恵を受ける真の健康経営が成立します。
健診実務の効率化と包括的な健康経営はエムスリーヘルスデザインへ
ここまで解説した通り、健康診断の補助金制度は非常に有益ですが、「どのクリニックが協会けんぽの対象か調べるのが大変」「従業員ごとの予約調整や、複雑な請求書の処理(企業負担分と補助金分の計算)に膨大な工数がかかる」といった人事労務担当者の悲鳴が現場ではよく聞かれます。
また、健診結果が紙やバラバラのデータで納品され、産業医連携や事後措置が機能していない企業も少なくありません。
こうした産業保健のあらゆる課題をワンストップで解決するのが、エムスリーヘルスデザインの各種サービスです。
煩雑な手配や補助金管理を丸ごと委託「健診代行サービス」
健康診断に関する予約手配、医療機関との折衝、受診券の配布、そして複雑な精算業務を当社がすべて代行します。担当者の方の業務工数を劇的に削減できます。
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産業医連携から事後措置まで一括サポート「ハピネスパートナーズ」
健診結果の一元データ化から、就業判定の効率化、労働基準監督署への報告書の自動生成までをシステム上で完結させ、産業医による事後措置をスムーズに行える環境を整えます。さらに、エムスリーグループが提供する産業医紹介・選任サポートと連携することで、全国の優秀な産業医ネットワークを活用した確実な事後措置の体制構築までを包括的に支援します。
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身体の健康(健康診断)だけでなく、心の健康も現代の企業には不可欠です。ストレスチェックの実施や、従業員が匿名で専門のカウンセラーに相談できる窓口の設置など、休職予防と復職支援を強力にサポートします。
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まとめ
2026年現在、健康診断に関連する補助金・助成金制度は多岐にわたり、これらを正しく活用することは企業の財務的負担を減らしつつ、従業員の健康を守るうえで非常に有効です。一方で、制度の複雑さや申請・手配業務の煩雑さが、人事労務担当者のリソースを圧迫しているのも事実です。
健康管理は、企業の持続的な成長を支える重要な投資です。「健診の事務作業」に追われるのではなく、結果を活かした「従業員の健康づくり」に注力できるよう、ぜひエムスリーヘルスデザインの産業保健サービスをご活用ください。適切な制度利用と専門家のサポートで、盤石な健康経営を実現していきましょう。
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